会長はメイド様!

□11月11日は
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「みっさっきちゃ〜ん♪♪」
廊下を軽快に走る足音が聞こえる


「...廊下を走るな。」
軽く溜め息をつき注意するが、こいつには言っても無駄だと分かっている


深谷は手にお菓子の箱を持って私の前で止まった


「今日何の日か知っちょる?」
「11月11日だが?」
それがどうしたというように呆れながらも深谷に答える

「当たっちょるけん♪♪」
嬉しそうにニコニコと笑う深谷....
幻覚だとは思うが尻尾まで見える...


「今日はポッキーの日やけん、ホラ☆」
みさきちゃんとポッキーゲームしようと思って持って来ちょるんや、とポッキーを一本取り出す

「...はぁ?」
ポッキーゲームの意味が分からん

大体学校にお菓子を持ち込んで、当然のように出すな!!

言いたいことは山々だったが上手く言葉に出ない


溜め息をついていると、不思議そうに深谷が話しかけてきた

「...もしかしてみさきちゃんポッキーゲーム知らんと?俺教えちゃる!!」

いきなり深谷が私の口にポッキーを一本挟んだ


「っ!?.....んっ」

挟まれたポッキーをどうすれば良かったのか分からなかったが、貰ったものは仕方ないと思いポリポリと食べた

「美味いなこれ」

「みさきちゃん、食べちゃゲームにならんけん...」
ポッキーを食べる私を見て、深谷はガッカリしたように目を潤ませていたが

すぐにもう一本取り出して、今度は自分の口に挟む


「..こにょ反対側を..モゴ...みしゃきひゃんがくあえて.....ふたつあって.....たぶぇりゅっひゃ...(この反対側をみさきちゃんがくわえて、2つに割って食べるちょv)」

モゴモゴ言いながら説明する


「なっ/////すっするわけないだろそんなまね!!///」

そんなの出来る訳がない

「えぇ〜.....」
相変わらずポッキーをくわえたまま深谷が残念そうな声を出す


「むっ無理だからな///」

プイッとそっぽを向いて深谷と目をそらす...


スッとその横を誰かが通り過ぎた


「ぢゃあ俺が代わりにやってあげるよ...」


言ったが早いか行動が早いか....

気が付くと碓氷が深谷に顔を近付けパキンッとポッキーを口で折った


「「....なっ/////」」
その行動に深谷と私の驚きの声がハモる

「.....んっ///」


碓氷は深谷から離れたと思ったら、私の口にそのまま碓氷のポッキーを挟んで....

―パキンッ


割った......



「もう少しポッキーが短ければキス出来たのにねv....残念」


ニヤっと口角をあげて微笑んで、ゆっくりと私の反応を楽しむかのように離れる....



「なっ碓氷////何すんだよ!!」

不覚にもカァっと顔が熱くなる

そんな私の怒声を無視してサラリと


「鮎沢に勝手にちょっかいださないでくれるかな〜、三下君」

表情は見えないが声が怖い

「なっ俺ぢゃなくて今のは拓海がっ
「俺は良いの」
深谷の言葉を遮って、ハッキリと強い口調で言った


「さっ行こっか美咲ちゃん...もうよそ見しちゃ駄目だからね?」

最後の方は良く聞き取れなかったが、碓氷に腕を引っ張られ....抵抗する間もなく連れ去られてしまった

「おいっ碓氷....何処行くんだよ//?」
「ん〜何処でも」





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