会長はメイド様!

□王子様とメイド様!
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私の名前は鮎沢美咲

碓氷拓海王子のお世話係メイドだ



嫌な巡り合わせで王子のお世話係になったが......






正直王子には振り回されてばっかりだ







「...何でこんなにちょっかい出すんだ」

ふぅ、と溜め息をついて王子の部屋の扉をノックした


「失礼します」
どうぞ〜、と返事がしてガチャリと扉を開ける......



王子が居ない


「......?」
いつもなら机で書類を読んでるのに...
今日はその姿が見えない


「.....王子?」
「何、美咲ちゃん呼んだ?」
すぐ近くで王子の声がした

「っ!?」
その声に驚いて振り返って見ると、私のすぐ隣に王子が立っている。
「なっ何でそんな所にっ!?」
「ん、良い顔美咲ちゃんv びっくりした?」
上機嫌でニッコリ笑って私をぎゅっと抱き締める

「王子!?///」
突然の行動に驚き声を上げた
「拓海でしょ?美咲ちゃんv」
王子の声がすぐ近くで聞こえる...

温もりも、鼓動も...感触も

服を隔てて柔らかく伝わってくる

「〜っ////離して下さい」
抵抗したい気持ちをグッとこらえ(暴れたら王子を殴るため)、離してくれるようお願いする

「.....そういえばさ、おしおき....まだだったよねv」


ピタッと王子の言葉に頭が固まる....


..........?



........今、こいつ何て言った...???


「....この前のあれは...?」

そう、先日熱で倒れた時に王子に暴言を吐いてしまい...
寝込んでた私を王子が無理矢理部屋に連れ込んで....(ここまでは「もしもキミが」の話)

看病と称して王子がお粥を作ってくれたのは良いとして...(しかも美味しい)

口移しか、あーんのどっちが良い?何て究極の選択を迫られたから...
仕方なくあんな恥ずかしい思いをしてお粥を食べ終わる間あーんで食べさせてもらうのを我慢してたのに!!?


今更おしおきなんてっ!!


キッと睨みたい所をまたまたグッと我慢して王子の顔を見る

王子も言いたいことは分かったみたいで、表情は相変わらずクールなまま...口角だけニヤリと上げる


「この前の....おしおきだと思ったんだ...?」

意地悪な目.....

「あんなもんじゃ、許してあげないよ?....それにほら、あれは正当な看病だしね..v」


「〜っ!!/////」


私を抱いたまま不敵に笑うこいつを今すぐにでも殴り飛ばしたい.....が!!

我慢だ...我慢...


自分に深く言い聞かせて無理に笑顔を作る


「.....断固拒否させていただきます!!」
...笑顔は上手く作れなかったな..
多分今ものすごい不機嫌な顔で王子を見たんだ...

その証拠に


「プッ...」

王子が吹き出して笑ってやがる


「美咲ちゃん面白すぎ...、そんなにムキになっちゃって...」
俺のこと、そんなに気になるの?と目を真っ直ぐに見て王子が囁く

「だっ誰が!!///」
その目から逃れるように顔を逸らす...

「......でもそうだね。あんまりいじめるのもなんだから、選ばせてあげるよv」

「......どうせ全部怪しいものなんでしょう?」
王子の言葉に疑いの目を向けながら返事を待つ...

「それは、美咲ちゃん次第v」
ニッコリと笑う王子を信じたわけではなかったが、抱きつかれたままの状態をどうにかしたかったので話を聞くことにした.....
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