会長はメイド様!

□こんな寒い日には
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....寒いな


12月に入り寒い日が続くようになった


夜バイト帰り街を歩くと、X'masのイルミネーションが街を彩り...また寒さが増していく



「今年のX'masは彼氏と...v」
星華でも女子がそう雑誌を見ながら話している姿をよく見かけるようになってきた...が、

X'masをどう過ごすか特にこだわりのない美咲にはイルミネーションこそ綺麗だな、と見るくらいで特に何をするわけでもなかった.....







「美咲は今年のX'mas、碓氷くんと一緒に過ごすの〜?」
昼休み屋上でさくら達とご飯を食べていたら突然そんなことを聞かれた
「は?何で私が碓氷何かとX'masを過ごさなきゃいけないんだ??」
食べようとした玉子焼きをお弁当の中にポロッと落として突然意味不明なことを聞かれた自分の耳を疑った


「美咲達いつも一緒に居るぢゃん♪♪だからX'masも...v」
幸せそうに染まった頬に両手を当て、きゃっきゃと言葉を続けるさくらを見て否定したくてもハッキリ否定出来ず苦笑いが広がる...

「あの...さくら?私と碓氷はいつも一緒に居るわけではなくてな...」
「え〜でもお似合いだよ〜?」
「おっお似合い!?」
さくらの言葉に思わず声が裏返る
「確かに美咲さんと碓氷さんはお似合いですね」
しず子までが静かにそんなことを言う
「なっ何で私が碓氷なんかと....」
似合ってる訳がないと言う反論はさくらによってかき消された
「碓氷くん格好良いし、スポーツ万能だし、頭も良いし〜まさに理想の彼氏だよね..v」
夢心地のようなさくらの姿を見て困り果てる...
「あの...さくら?」
「格好良くてスポーツ万能で頭も良くて頼れる美咲にぴったりだよ!!」
「は?」
「美咲〜、碓氷くんモテるんだからちゃんと繋ぎ止めておかなきゃ駄目だよ〜?」
「えっ?」
「確かに最近告白される回数も増えていますしね」
「こっ告白?」
「X'masはやっぱり好きな人と一緒に過ごしたいもんねぇ...v美咲、ちゃんと約束した〜?」
「X'mas?約束...?好きな人..?」
明らかに空想の世界の話をしている2人の勢いにのまれていたが、さくらとしず子の注目がまた私へと戻ってきた..

「「まさか美咲(さん)....してないの(ないのですか)?」」
見事にまでハモる2人の声.....


勘弁してくれ...


「わっ私はだな、碓氷なんか好きになった覚えもないしX'masはバイトに出て過ごそうと思っているのだが......」

そう、X'masこそメイド・ラテに来る人が多く例年人手が足りなくなるという話をエリカさんから聞いた

どうせ予定もないし長時間働けるときに働かないと正直生活も苦しい


「「美咲(さん)....」」
また見事なまでに2人の声がハモったが、私はニッコリと微笑んで生徒会の仕事があるため昼食を終え2人より先に下へ降りようとドアへと向かった


「そんなしんみりとした顔しなくても....今年のX'masは家族でケーキ食べるの楽しみにしてるんだ♪♪」
既に決まっているX'masらしい予定を明るく告げてバタンと扉を閉める


「美咲....碓氷くんと過ごさなくて良いのかなぁ..」
「本人は気付いていないようですが、やはり気になる存在ではありますよね」

ハァ、という溜め息を2人してついた
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