会長はメイド様!
□罠×α
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その日は風邪を引いていて、体調は全く良くなかった...
だからだろうか、何の考えもなしにあのド変態の企みに嵌まって....またコイツに助けられた
そして何なんだこの展開は......
―――
「あ〜、体がダルぃ...」
風邪でボーッとする頭をどうすることも出来なくて生徒会室の机に伏せる
....今日は碓氷が居なくて良かった
あの目障りなのが傍にいたら余計に風邪が悪化する...
回らない頭で考えたのは、そんな事だった
考えなきゃいけないことは他にも沢山あるのに、何故か今はそんなくだらないことが一番に頭に浮かんだ
「あの...会長」
うつ伏せになって余計な事を考えている私に、幸村が遠慮がちに声をかけた
「何だ?どうした幸村?」
顔をあげて幸村に答える
「実は....雅ヶ丘から使いの方が来て...」
.....は?
雅ヶ丘から使いの方??
「何だそりゃ。まあいい、何処に居るんだ?」
パッと頭に五十嵐の顔が浮かんで嫌な予感はしたが、避けることもないと思い会うことにした...
「あっもうお帰りに...。これを会長に渡して欲しいとのことで」
スッと白い封筒を手渡される
「ん?手紙か....」
―――
星華高校生徒会長 鮎沢美咲様
生徒会長としてのアンタに用がある
本日16:30雅ヶ丘で待つ
五十嵐虎
―――
.......何だこれ
つーか一方的過ぎる
しかし呼び出されているのは私個人ではなく生徒会長としての私だろ...? まさかウチの生徒が何かやらかしたのか??
で、向こうの生徒会室で預かっているとか......
ボーッとした頭に突然意味の分からない手紙の出現
困惑しながらもなるべく冷静に考えられることを考えた
16:30....か
幸い今日はバイトもないし...行けることは行けるんだよな...
―ガタンッ
「幸村、所用で出掛ける」
「..雅ヶ丘ですか?」
「そうだ。今日はそのまま帰るから、何かあったら連絡してくれ」
「...会長、大丈夫ですか?」
「...問題ない」
机を立ち上がり出掛ける準備をする私に幸村が心配そうに話しかける
そんな幸村に返事をしながら約束の時間に間に合うよう仕事を割り振り鞄を持つ
咳を2回した後で
「後は頼んだぞ」
軽く微笑んで生徒会室を後にした...