会長はメイド様!

□そのままのキミが...
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またやられた.....



ムカつく気持ちを抑え込んでメイド・ラテに向かう



従業員専用口から中へと入りさつきさんの姿を探した



「あれっ葵ちゃん...どうしたの?」
さつきさんなら今店だよ?と声をかけられる


今日は学ラン姿の僕...
話しかけてきたのは女のクセに女らしくない鮎沢美咲....


「相変わらず勿体無い格好してるわねー、アンタ」

急に話しかけられてドキッとしたのをごまかすように腕を組んで鼻で笑う

ミサキチは今仕事が終わったのか相変わらず女らしさの欠片もない格好をしていた


「まあこの方が私らしいしね」
ハハッと笑って頭を掻く


自分らしい...か




僕が好きなものは親父に猛烈に反対されていて捨てられて...その度に必死になって僕は可愛いものをまた集めているけど


正直僕らしさを理解してくれるやつなんか.......



「自分らしい....ね」
軽く溜め息をつく

「その女を捨てた格好がアンタらしい格好なの?」
ズケズケと遠慮なくミサキチを見て問いかける


でもミサキチは全く気にしない...

「まぁ、そうかな」
むしろこの位のが性に合うんだよね、と笑いながらアッサリと答える


「葵ちゃんだっていつもの可愛い格好している方が葵ちゃんらしい....でしょ?」
ね?と穏やかに微笑み僕を諭す


「まぁ僕の場合は可愛いものがこの上なく似合うからね」

そんなミサキチに心臓がちょっと跳ねたが、気に止めないようにわざと威張った


結局はそうなのだ

親父に反対されようが...
皆に変だと笑われようが....



可愛いものが好きな自分は自分


好きなものは好き



誰にどう言われようがこれだけは譲れなかった....




自分が周りにどう思われるかが気になってヤキになっても意味ないんだ...


変に理解を求めなくても良い



ミサキチの言う通り「自分らしい」を大切に僕は僕らしくいれば良いんだ.......






「親父に服捨てられてやっぱりちょっと傷付いてたのかな...」
ミサキチには聞こえないように小さく呟いた



僕はまた可愛いものを集めて可愛い格好をするけど...

皆に認められたくて必死になるわけじゃない



.....好きだから


「あ〜もう、早く帰りなさいよ、アンタ」
自分らしさを周りに認めてもらうことよりも

可愛い自分が好き



.....そんなことが揺らぐくらい気が滅入ってたなんて



何となく自分らしく堂々としているミサキチが眩しい....


今の自分じゃなくて、もっと自信持って誇れる自分を見てほしい....


そう思って今日はサッさとミサキチを帰した
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