会長はメイド様!

□あべこべドリーム☆
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「鮎沢美咲、お前をツンデレメイドだメロメロリンの罪で逮捕する!!」

「...はぁ?」



目の前に現れたのはウサ耳を付けた幸村の姿

右手に懐中時計、左手に手錠を持ち一生懸命私に向けて声を張り上げている


「ちょ、ちょっと待て幸村...お前一体どぉしたんだ!?」


事の次第が全く理解出来ない

何だツンデレメイドだメロメロリンの罪って..↓↓


「残念ながら、会長の罪は逃れられません。碓氷先輩を筆頭に貴女は多くの人たちの心を奪いすぎた」

「か、叶?!」

何故かメガネウサギのコスプレをした叶までもが神妙な顔をして立っている...

「わっ私は別に何も...」心を奪うとかそんな事は一切していないししたくもないと続ける前に2人の声が私を遮った

「「そう、その無自覚こそが罪」」

な、何なんだ一体....
「アリス、覚悟〜!!お前をご主人様の元へと付出してやる!!!!」

2匹のウサギに追い詰められて私はその場から逃げ出した


ていうか誰だよご主人様って....

ポンッと頭に浮かんだのは不敵に笑う変態宇宙人の姿だが、フルフルと頭を振って直ぐにその姿を追い出した


「待て!! 罪を犯した罪人は逮捕する!!」

気が付けば私は不思議の国のアリスの格好をしていて、幸村達は小さな白ウサギとなって私を追いかけてきている



「待てと言われてもなぁ.....」
ぴょこぴょこと可愛らしく追いかけてくるウサギを見て内心呆れつつも足を止める気には到底なれなかった










「何だこれ」

場面は変わって門の前に立っていた私

(アリスは入れ)

自分の姿を見直した

アリス.....って私のことだょな


「お邪魔しま〜す....」
恐る恐る中に入ると大きな鳥かごが上から降ってきて私を捉えた



「なっ何だこれ!!??」


目の前に現れた私を閉じ込める檻に手を触れ押したり引いたりするが全く動かない


「全く、何だっていうんだ今日は」
厄日だ、と思いつつ頭を抱える


「おい、メイド様を捕まえたぜ!!」
「やったな白やん!これでメイド様は俺らのもんだ!!」
「これで色々これからエロいことが出来る(´ω`*)」
「全く、クロタツはエロばっかだな...」「でもメイド様を調教...良い響きだぜ!!」
「これからご主人様がた〜くさん美咲にお勉強教えてあげなきゃねぇ...vv」
ゴクリ、と唾を飲み込む3人



「なっ何を馬鹿な事!!////てゅうかここから今すぐ出せ馬鹿者が!!!!!」
ふんぎぃぃぃ、と力を込めて檻をこじ開けようとするがビクともしない

「無駄だよ美咲ちゃんv この世界では美咲ちゃんはか弱い普通の女の子なんだよ♪ 俺たちにはどうあっても敵わないv」
「だから大人しく俺たちにされるがままで居ようね〜v」
「まぁ俺としてはめちゃくちゃ抵抗してくれても良いけどv罵声がたまんないし...v」

舐めるように体を見られて正直気分が悪い

「おめぇら覚悟は出来てんだろぉなぁ...!!」
握り拳を作り檻の向こうに居る3バカに向かって真っ直ぐパンチした







......が、



パァンという音がして花と星が拳を中心として広がった


「え?」

広がるポップな世界


そこには3バカの姿も私を閉じ込める檻もない


「ここ...は」

ポップな花や星が地面に落ちる頃、私は緑広がる草原の上に立っていた

足元から広がる真っ直ぐな道

丘へと続くその道の先には雲ひとつ無い青空の下に建つ赤い屋根の可愛らしい一軒の家とその横の大きな木


私がそこに向かい歩くごとに足元の草原に花が開き花畑に変わる...



「誰か住んでるのか?」

コンコン、と家のドアをノックする


暫くするとドアが空いた

「お帰り美咲、遅かったね?」
甘く微笑んだその姿は私がいつも見慣れている奴の姿で...

何故か凄く安心した


当たり前のように迎えられるまま中に入り碓氷の入れてくれた紅茶をすする


「...ここが終着点なのか?」

私がボソリと呟くと、向かいで紅茶を飲んでいた碓氷と目があった

「どうかしたの美咲?何かあった..?」
優しく掛けられた声に何故か私は素直に今まであった出来事を話し始めた










「ツンデレメイドだメロメロリンの罪....ね。」
ハハハ、と楽しそうに腹を抱えて笑う変態宇宙人

「全く冗談じゃない。意味不明だ」
呆れて頬杖をついてげんなりとため息を吐いた


「でも確かに美咲は罪だよね」
「はぁ?」
カタンと椅子を倒して思わず立ち上がる


「だって俺美咲にメロメロリンだもんv」

「阿呆かお前は」
にっこりと微笑む碓氷を一喝しまたげんなりとする




「居たぞ!!アリスだっ!!!」



声に驚いて見てみれば、玄関に幸村と叶、3バカの姿があった



「お、お前ら何でここに..!!」

「観念しろアリス!!今日という今日は捕まえてやる!!!」
「美咲ちゃん覚悟!!もう絶対に逃がさないぞ!!!」


「あ〜もう騒がしい!!碓氷!!こいつらをどうにかしてくれ!!!」



私の一言で周りの視線がバッと一気に碓氷に集まった


「....え、俺?」

「ごごご、ご主人様??!!」
「え、ご主人様!?」
びっくりする幸村と私

叶でさえ目を開いて驚いている


「叶、これどういうこと?何で美咲が終われてるの??」
冷めた目で事の次第を叶に問う碓氷

「は、ご主人様が鮎沢会長に心を奪われたので会長をご主人様の元へ連行しようと...」
「なるほどね。叶、美咲はもう俺の女なんだけど?連行しなくても美咲は俺の傍からもう離れられないの」
「だ、誰がお前の!!?」
「美咲は俺のだよ」
クイッと顎を持ち上げられ必然的に距離が縮まる

「なっ//////」



「どうやらお邪魔のようですね。幸村先輩、行きますよ。」
「わ、待って下さい叶くんっ!!」



「俺たちを無視するな!」

2人が去った後キャンキャンと3バカが吠えたが碓氷の黒い視線に尻尾を巻いて逃げ出した


「俺たちって結局こんな扱い...」
「不動の雑魚キャラ...v美味しくねぇ??」
「うるせぇ、黙れクロタツ〜!!」




うってかわって静かになった家の中



「鮎沢美咲」
「何だ?」
キュッと碓氷に抱かれて広い胸に閉じ込められる

「ツンデレメイドだメロメロリンの罪で逮捕する」
「なっ!!」

「一生出してあげないんだから」
「〜っ/////////」




――――
「こんの変態宇宙人〜!!!!!!」と罵声をあげ、美咲は目を覚ました


辺りを見ると周りに居るのはいつもの生徒会の面々で.....



「か、会長...どうかしたんですか!?」
皆一様に持っていた資料を落とし驚いて美咲の方を見ていた


―ま、まさか....


「変態宇宙人って俺の事、だょね会長」
ふと見てみると隣には目を丸くしてこっちを見る碓氷の姿..



「寝言、か?」
冷や汗をかき、ひきつった顔で幸村に尋ねた

「こんの変態宇宙人って大きな声で...」
「...悪い。疲れてたんだ、たぶん」

「それで会長はどんな夢を見たのかな〜?」



美咲の肩が軽く跳ねる


「べ、別に...!!///」

「あれ〜?美咲ちゃんお顔が真っ赤だよ〜??」


からかうように顔を覗き込む碓氷を思い切り叩き生徒会室を飛び出したが、その後ご機嫌な碓氷によって何度もそのネタでからかわれたことは言うまでもない






終わり☆

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