□happyend・love
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【happyend・love】

ただダラダラと臨也さんと肩を寄せ合いぼうとしていたときだ。

「ねぇ、君は物語の主人公になってみたいと思ったこと…ある?」

いきなりそんなすっとんきょんな事を言い出すもんだから。

「…ない、ですけど。」

警戒した返答になってしまった、ついでに先ほどまで密着させていた肩も離しておく。

「あれ、引いちゃった?おっかしーなぁ乗ってくると思ったんだけど。」

と引かれた事に臨也さんは
別に気にしてない様な雰囲気で、ちゃっかり不自然なく僕の腕に絡んできた。

もっと気楽な時間を過ごしたかったのだけれど、しかたないので臨也さんの惰話に付き合うことにした。

「いきなりなんですか、大体そんな話に
僕が食いついてくるという無駄な確信はどこから…中二病ですか?」

「無駄って…、しかも僕は中二病なんかじゃないよ。」

永遠の21歳病だよ。
とさわやかを無駄使いしてニッコリと笑う臨也さんに黙っていれば完璧なのに、と残念だなと思う。

「それより、さっきの話だけど以外だなぁー
帝人君なら毎日自分が主人公ならっ!…て思ってそうなんだけど。」

「一体臨也さんは僕をどんな目で見てんですか。」
「好奇心旺盛だけど、自分から飛び込めない…表は内向性で
裏は外向性な高校生の僕の恋人。」

なんだか狩沢さん達みたいなことをいいだした永遠の21歳。

「最後は余計じゃないですか?」

「最後が肝心なの!」

「酔ってんですか?」

「酔ってないよ、僕が言いたいのは君には十二分にストーリーの主人公になれる要素が溢れてるってこと。」

また何を言い出すのかこの万年被害妄想は。

「そんなものこちらから願い下げです、
それに最近の小説とか漫画とかは
最後がハッピーエンドなんて滅多にないじゃないですか。」

僕は不幸とか努力が実らないことはあまり好きじゃない。

「まぁ、考えてみれば少ないとは言えないね。…じゃあこうしよう。」

そういうと臨也さんは絡めた僕の腕を引き寄せ無理矢理臨也さんの膝に乗せられた。

まるでお姫様だっこのような体制に羞恥がこみ上げる。

「あの、恥ずかしいんですけど…臨也さん。」

なんとかこの状態から抜け出そうと体を起こそうとするも逆に臨也に押さえつけられた。

「いいじゃない、別に…なんだか帝人君抱っこすんの落ち着くんだよね。」

「…僕は抱き枕か何かですか。」

「いや、抱き枕より気持ちいいよ。」
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