幸村Xブン太

□甘いドロップ
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4時限目が終わった頃
ブン太が毎日楽しみにしている足音が聞こえてきた


「ぶーん太」

ガラス窓からヒョコっと顔を出し手を振る人の姿が見えた

それが誰かは直ぐに分かる

「幸村君!」

お昼、この時間は俺が一日で一番大好きな時間だ

ご飯食べれるし、クラスが違うからほとんど会えない幸村君に会える大事な時間だから

入院生活を幸村君がしてた時は休みの日ぐらいしか会える時間が無かった

だから毎日会える今の生活はすごくうれしいくて楽しい
幸村君もうれしいって言ってくれた

お弁当を持って誰も居ない屋上に2人でご飯を食べる

弁当は自分で作って、食べる時に交換して喰う

「お!幸村君のタコさんウィンナーかわいい」

「ありがと」

幸村君が作ってくれるのはどれも美味しくて大好き

「ん、ブン太のも美味しいよ」

「へへっ、心こめて作ったんだぜぃ!」

「だからかな、いつも暖かくて美味しいのは」

幸村君が笑ってる顔が好き
それだけじゃない、全部が好き

あの時に言えなかった好きを今いっぱい伝えたい
『病気が治った幸村君』に

「幸村君、 す…」
「はは、また頬にごはん着いてる」

そういって俺の頬に着いているご飯を取って食べた

せっかく好きって言おうとしてたのに また言いそびれた

「かわいいブン太…、愛してるよ」

そして、先を越された

幸村君は相変わらず不意打ちをしてくる
俺がふてくされてる時でも「愛してる」って言う

そして…キスする……

甘くて軟らかいキス



いつか絶対幸村君を越して、
幸村君が俺を思っている以上にもっと好きになって
いっぱいの好きを幸村君にあげたい

前とは違うんだ

悲しいだけの生活じゃない
俺たちの間に壁はないんだから

いっぱい伝えて、今度は逆に幸村君を惑わしたい
俺でいっぱいにさせて

「幸村君………」





end






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