NOVEL

□第二章 a brave man
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みんながパニック状態になってる。

先生も声荒げてら…厳つい面して…
笑いものだな。

当たり前だよな、あんなんの後じゃ…


つか、俺凄い冷静じゃないか?

動けないけどさ…




…キィン―――

アキト「っぐ…」


暁斗は急に頭を抱えてしゃがみ込んだ。


カイリ「暁斗っ、大丈夫!?」

アキト「っぅ……」



誰だ…
俺ん中で歌ってるのは…




偉大なる 勇者を見つけた
まだ粕かだが いつの日か
光を集め 輝くでしょう
それはまだ 少し遠いかもしれぬ
だけど私には
信じる事しか出来なくて…




――さあ、決断の時よ。
   選びなさい。

――扉を開くか、開かぬか。





アキト「っ…俺は…」

カイリ「暁斗っ!?」

タカヤ「暁斗!大丈夫か!?」

アキト「…っく」

カイリ「暁斗!大丈夫、っ…!」

頭を抱えてしゃがみ込む暁斗に孝弥と快璃は駆け寄る。
その時、快璃はフラッとよろけてしまった。

タカヤ「おいっ、お前も無理すんな!」

カイリ「私は大丈夫…それより暁斗が…」




そんな時、急に窓が割れて何かが飛んで来た。

しかもそれは、暁斗の元へと迷わず飛んで行った。




――偉大なる 勇者を見つけた
  まだ粕かだが いつの日か

――光を集め 輝くでしょう
   それはまだ 少し遠いかもしれぬ

――だけど私には
   信じる事しか出来なくて…



アキト「っこの歌…」


光を放つ良く解らないが
球体の物から歌が聞こえた。



――小さな勇者を 見つけた
   また強大な 光放つ

――道なき路を 進むでしょう
   それはまだ 少し遠い未来でも

――しかし今は
   待つことだけしか出来なくて…




………けて、

………って?


アキト「んだよ!?聞こえねぇ!」


カイリ「ちょっ!暁斗!?」

快璃は謎の球体を前に頭を抱える暁斗へ近付こうとする。
しかしそれは孝弥に阻止される。


カイリ「離して、離してよ孝弥!」

タカヤ「今お前が行くな!俺が行くから…」

カイリ「っ…」







キィイイィ――ン……


タカヤ「っく…この音は…」

カイリ「痛…頭、痛いっ」

ゴーレムの発する音が聞こえ、頭に直通しているかのような感覚。


「アハハッ、痛いぃー?」




校庭のゴーレムの肩に立っている、一人の黒装束を纏った…
声からして少女らしい。
その少女が話す。



「ボクの愛ぉしいゴーレム、ティーダだよぉ。
キレイな声でしょお?」




タカヤ「んなっ…アイツ何者だ…」




「さあて…ねェ?
伝説の勇者ってのわぁ、だぁれだぁ?」




少女の言葉を合図にゴーレムから、すさまじい高音の超音波と言っても過言ではない、音が再び放っせられる。





カイリ「キャアっ」

タカヤ「快璃!暁斗!」




アキト「っくそ!…」



守りたい?
皆を…


アキト「な…」



守りたいなら開きなさい。



アキト「っ!?」


謎の球体はさらに光を放ち、大きな扉の形へと変化した。








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