短編小説
□鬼ごっこ
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本日晴天
ぽかぽかのお昼寝日和
もちろん私もこんないい天気の日に部屋にこもるわけもなく
縁側にてひなたぼっこでもしようと、みんなの邪魔にならないちょうどいい場所を探していた
「どっかいいとこないかなぁ」
キョロキョロと回りを見回しながら長い廊下を歩いていると、進行方向に緑色の塊が横たわっている
「………何あれ」
恐る恐る近寄って見るとそれは人の形をしていて私のよく知っている人物
そしてこの城の主である
「元就……」
毛利元就その人
縁側に横になって無造作に手足をほうり出している姿は、普段きちんとしている彼からは想像できないもので
「あれか、いつものように光合成してたらあまりにも気持ち良くて寝ちゃったってやつ?」
すやすやと気持ち良さそうに眠る元就のそばに座り込み、いつもなら絶対触らせてくれないさらさらな髪にそっと指を絡める
「くっ…、わかっていたけどさらさらすぎる。負けたぜ」
(なんか悔しい…)
ぶすぶすと見た目より柔らかな頬を指でさす。
しばらくつついていると、寝苦しいのか眉をひそめ小さく寝返りをうった。
そのしぐさに一瞬起きてしまったのかと身構えたが、すぐに規則正しい寝息が聞こえてくる
「これもしかしてマジ寝ですか?」
(いたずらしたい)
うずうずと邪な思いが大きくなっていく
(なんかないか……っそうだ!!)
思い付いたら即行動
私は急いで自分の部屋に戻りこっちにトリップしたとき一緒に持っていた、鞄からあるものをとりだした