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□舞踏会、明けた夢
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毎日が憂鬱で、窓から見える景色は灰色。
笑顔を忘れた私、泣き止むことを忘れた空。
私を見かねた上司たちは、無理矢理煌びやかな舞踏会へと連れ出した。

その場所は、金色に輝く夢の世界。




華やかなドレス、色取り取りに着飾る姫君たち。
決めた化粧の上から付けるのは仮面。
この舞踏会は、上下の関係や、互いの関係に囚われることがないようにと、
名前を明かさず、仮面を付けることが条件となっていた。
仮面のおかげで無理に笑う必要もない。
関係が分からないから媚びる必要もない。
ここは、疲れ果てた私の夢の場所だった。



「お嬢さん。浮かない空気だねえ。」


後ろから聞こえてきたのは、人一倍派手な衣装に仮面をつけた男性。
綺麗な金髪と、人を寄せ付ける空気が印象的だった。


「そんなこと、ありませんわ。」

「隠しても、俺には分かるんだよね。

お嬢さん、よかったら、外で話しない?」



見知らぬ人に話して何になる。
そう思うはずなのに、私は、、


「そうね、そちらの方が楽しそうね。
付き合っていただけるかしら?」

「姫のお望みのままに。」
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