「髪を切ったルークってぇ“童顔”だと思いませんか?」 小さいぬいぐるみを背負った少女は 旅路にてふとそんな事を言った。 「えぇ。“女顔”とも言えますねぇ」 返事をするのは青いマルクト軍服を着た男性。階級は大佐。 「なんか、ヒラヒラのスカート着ても違和感なさそう…」 「おや、アニスもそう思いますか」 「ですよー。最近のルークってなんだか女々しいんですもん。イオン様と違う意味でお姫様かっちゅーの!」 “お姫様”という単語に ふむ、と私案深げにジェイドは顎に手をやる。 …しばらく経って、 「では試してみましょうか」 にこりと笑う。 「ほへ? それってどういう事ですか?」 ジェイドはアニスを呼び寄せると、周りに聞こえない程度−特にルークに聞かれないよう 小さな声でアニスに何かを告げる。 「おーい、置いてくぞー」 ずいぶんと先に進んでいるルークが、後方の二人に声をかけた。 「「すみません〜☆」」 二人は不気味なほどにこやかな笑顔で返す。 これはいつものこと。 だが、今回は違ったニュアンスが含まれていることをルークは気付かなかった− → |