「悪かったよ、ルーク」 「うるせぇ!」 ルークの怒っている理由。 それは、 「最初に剣の稽古に付き合うって言い出したのはオメーだろ!」 −原因は昨日の約束だった。 しかしガイは急な用事が入ったとかで、ルークとの約束をキャンセルしたのだ。 それはルークも分かっている。 ガイはルーク専属の使用人であるが、言わばキムラスカ国の一使用人でもあり、国から用事を命じられることも少なくないのだから。 仕方のないことだと、理解しているのに。 「もういい! ガイなんて嫌いだっ」 ……どうして思ってもないことを言ってしまうんだろう。 扉付近に立っているガイは、悲しいとも困ったような曖昧な表情を浮かべ、黙って一礼すると部屋から出て行く。 → |