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□日常螺旋
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「っ…!」

そしていつもこの時にルークは自分の言ってしまった言葉に気付き、声にならない声を発して手を伸ばすけれど。
扉を閉める バタン という重い音ににいつもかき消されて。
引きとめようと思って伸ばした手は力無く膝の上に落ち、扉から目を逸らしてルークはベッドに横になる。


いつもの、ことだ。
何もかも。

いつも自分の放った言葉でケンカは終わる。


(いや、そもそも…これってケンカとは言わねーよな…)


だっていつも、一方的に怒っているのは自分のほう。
いつもワガママを言って困らせているのも自分のほう、なのに。

(なのに、ガイは)

そんな自分に対してガイはただ立ち尽くし、苦笑してルークの言葉を受け入れる一方で。
そりゃあ黙ってばっかじゃないけれど、

大抵は反論せずに受け流していた。


(『嫌い』、なんて)


思ってない。
なのに出てきてしまうそのコトバ。

ガイが自分の時間を削ってまでもそんな約束をしてくれたことは、外に出れないルークを思ってこそだということを、十分知っているから。

そのガイのささやかな気遣いを嬉しく思っているのにも関わらず、

(どうして『嫌い』って言うんだよ、俺は!)

つい言ってしまう自分にむしゃくしゃしてばかりだ。
謝ることも出来なくて。





それはまるで、ぐるぐると廻る螺旋のようだと、ルークは思う。
 

終始符はまだ打たれない。


Fin.



†あとがき†

―ただ“螺旋”という言葉を使いたくて考えた作品です(´∀`)vv






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