突発

□夢を見た
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夢を見た
君がいなくなった 夢だった










『夢を見た』











視界を埋め尽くすのは数えきれない瓦礫の山と、今はすでに物言わぬガラクタと
化した無数のAKEMA。
無音に近い世界に響くのは、遠くから聞こえる長い戦争の終わりに歓喜する声。
それをどこか別の世界のことのように感じながら、オイルと何かが焼け焦げる臭
いが立ち込める廃墟に、俺は一人、立ちつくしていた。

「・・・なんで・・」

渦巻く疑問は音となり、けれどそれに応えてくれる人はもうここにはいなかった

掌に残る温もりはけれど刻々と温度をなくし、ただボロボロになった手袋だけが
現実を突きつける。

「・・どう、して・・・」

あんなにも夢見ていた平和が訪れようとしているのに。
誰よりも何よりも、この悲劇しか生まない争いを終わらせようと必死になってい
たのに。
どうして、君がいなくならなくちゃいけないんだ。

『ありがとう、ラビ。今まで、すごく、楽しかった』

今もまだ耳に残る、凛と静かに響く声。

『本当に、ありがとう。そして、ごめんなさい』

今もまだ目に焼き付いている、涙を零す悲しげな笑顔。

『     』

最後に紡がれた言葉だけは、理解が追いつけぬまま無音の記憶として残された。
そうして白い光を放つゲートへと飲み込まれていく彼を追いかけて、つかみ取っ
た左腕はもうそこに無く、結局俺が何よりも繋ぎとめたかったものは崩壊する箱
舟と共に世界からいなくなってしまった。

「どうしてなんさ・・・」

まだ叶えてあげられていない約束がたくさんあるのに。
この戦争が終わった後の、数えきれないほどの夢を語り合ったのに。
どうして、君が、ここにいない。

「―――アレンっっ!!」

空に向かって呼んだ名前は、世界でただ一人の愛しい君のものだった。

















イメージソング→やなわらばーさんの『夢を見た』

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