旧書庫のため非公開
□存在の記憶
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アレン。
なんです?
俺のこと愛してる?
・・・突然どうしたんですか?
いいから。なぁ、愛してる?
・・愛してますよ。
ん。俺も。
・・・じゃないと困ります。
はは。じゃあさ、もしも・・・。もしも、さ・・
なんですか?
もしも俺が死んだら、呼んでくれる?
・・・・本気なら怒りますよ?
本気だけど?
―バチンッ―
っ・・・痛いさ〜。
左手じゃなかっただけ感謝してください。
ん〜・・・。別に、アレンにならいいのに。
何がですか。
殺されるの。
・・・どうしたんですか?おかしいですよ、今日。
そうさね、おかしいのかも。でも、本気だから。もし死んだら、ちゃんと呼んでね?
・・・そんなに僕の皮が被りたいんですか?
そうじゃないさ。アレンに呼んでもらって、その左手で壊してもらいたいの。
な、んで、そんなこと僕がしなくちゃいけないんですか?!
・・覚えていてもらいたいんさ。一生。アレンが死ぬまで、ずっと。
何言って・・・
だってさ、俺をAKUMAにして、壊したら、アレンは俺のこと忘れないっしょ?親父さんのことみたいに・・・。
・・・マナに・・・妬いて、るんですか?
うん、そう。嬉しい?
なっ!馬鹿なこと言わないでください!!
嬉しいくせに。
ちがっ!だいたいラビとマナは違うって何度もっ・・・!!
はいはい。ほら、もう寝るさ。明日から任務なんだろ?
む〜・・・。
はい、オヤスミ〜。
・・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・
ラビ。
ん?
僕は・・・忘れないです。
うん?
いつか名前が変わって、ラビが“ラビ”じゃなくなっても。僕はラビのことを、忘れません。
アレン・・・
だから、もしもの話でも、死ぬなんてもう二度と、言わないで。
・・・うん、わかったさ。
わかれば、いいんです。
・・・アレ
おやすみなさい。
・・・
・・・
・・・・・・
・・・スー・・・
・・・アレン?・・・もう、寝ちゃったさ?
・・・スー・・スー・・
・・・
ちゅ
・・・ありがとう、アレン。
世界が俺を覚えてなくても
君が覚えていてくれるなら
それでいいと、思ったんだ
→あとがき