旧書庫のため非公開
□思うココロの行方
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西の空に浮かぶ夕日。
その光を受けて、オレンジに染まる雲。
時間とともに色を変える茜空。
目に映る全てが、君の色に染まるから
想うココロの行方
アレンは一人、任務で訪れた街中にある教会の広場へと来ていた。
北から吹く風に髪の毛を乱されるのも気にせず、家々の間から見える空を見上げる。
ちぎれた雲がゆっくりと流れていくのを、飽きもせず眺め続けた。
「・・・てめぇ、こんなとこにいやがったのか」
不機嫌な声とともに今回の任務の同行者である神田がやってきたのは、もう日が暮れようとしているころだった。
「行くぞ。そろそろ汽車がくる時間だ」
そう言って促すが、アレンは相変わらず空を見つめたまま動かない。
距離から考えて聞こえていないわけがないのに、まるで耳にはいっていないかのようにぴくりともせず空を見ている。
「テメェ、シカトしてんじゃ・・」
「ねぇ、神田」
苛立ちに任せて怒鳴ろうとした神田の声を遮って、今まで微動だにしなかったアレンが突然口を開いた。
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