旧書庫のため非公開

□祈り LaviSide
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『祈り』









君だけが輝いて見えるから
どこにいたって、見つけられる
こんな見つけやすい場所にいるならなおさら



「アレ〜ン♪」

「なんですか、大声で」



相変わらずの冷たい反応。
振り向いた顔には面倒くさそうな、困ったような。そんな表情が浮かんでいたけど。
その奥にあるものを、俺は確信しているから。
わざとふざけた態度で、隣に座る。



「そっけないさぁ〜。せっかく一緒にご飯食べようと思ったのに」

「・・・勝手にどうぞ」



ほら、やっぱり。
なんだかんだ言って、そばにいることを許してくれる。
周りに一線置いているように見えるけど、この子は寂しがりやだから。
うまく甘えられないのは、甘え方を知らないだけ。
その証拠に、銀灰色の瞳には、こんなにも寂しさが滲んでいるんだから。
けど、俺からそれを言ってしまったらきっと、傷つけてしまう。

だから・・・。



「・・・どうしたん?なんか俺の顔についてる?」

「え?あ、いえ、違います。ちょっと、考え事をしてて」



言えるチャンスを、あげているのに。
やっぱり言い出さないのは、まだ俺の信頼が薄いから?
それとも、俺にはこの子を守る資格が無いから?



「アレン」

「・・はい。なんですか?」



こんなに大切にしたいと思っているのに。
こんなに・・・好きなのに。
愛しいと思うのに。
その心にある傷を見せてくれることは、無いんだろうか?

甘えてもいいのに。
泣いてもいいのに。

そう言えないのは
次期ブックマンという宿命を背負ったこの人生と
貴方じゃ駄目だと言われることを怖いと思う、どこか臆病な俺自身のせい。

それでも、諦めることなんてできやしないから。



「夕飯も一緒に食わん?一人より二人のほうが美味しいさぁ」

「・・・そうですね。ご一緒して構わないなら」


少しでも
ほんの少しでも、君にとって近い存在になれるように。
君が笑っていられるように。
絶対一人にはさせないから。




だから






この子の悲しみを







神様、どうか、俺に分けてください。







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