幻曲高校
□ぷろろーぐ
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「ここか……」
引っ越しの前日、私は明日から通う学園の前まできていた。楽しみでうずうずして、思わず前日から来てしまったのだ。
「……希望いっぱい胸いっぱい」
私はトントンと胸を叩いた。
面接のみの転入試験には首を傾げたが、なんともヘンテコな学校だなぁと(その際になぜかグラサンをかけた校長先生からの注意に教員には驚かないようにというものがあった)思うに止めた。
踵をかえし、クルクルと髪を指にからませながら帰路に着いた。
明日から始まる生活が、楽しさのみならず冷や汗と悲鳴でいっぱいなことを知る由もなかった。
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