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□『縛』―狂愛恋華―
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薄暗い室の寝台の上に一人の少女が寝ていた。
…いや、意識を失っているのだろう…。
少女の細い手足は縄で縛られていた。
少女は肌寒さで意識を戻した。
(…ッ!!!…何で私…!!!)
少女は自身が衣を纏っていない事に気付いた。
…ただ絹で織られた薄い布がかけられていた。
そして自分の手足の自由も奪われている事にも。
(…イヤッ!!)
必死で手首の縄を解こうとするが解けず、逆に結び目がキツくなっていった。
少女がもがいていると、その室に男が入ってきた。
「…おや、お目覚めかな?私の姫君」
男は微笑みながら寝台に一歩ずつ近付いてきた。
その足音が少女を恐怖へと誘う。