小説

□「哀れな鳥」
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『哀れな鳥』

私は籠の中の鳥 いつも独り

いつか自由に大空を飛び立ちたい

叶わぬ夢でも

願い続ける

ある日誰かが訪ねてきた

「かわいそうに 外に出たいと思わないのか?」

「私は籠の中の鳥 主人のために歌うのです」

その人は「かわいそうに」ともう一度呟き去って行った

私は歌い続ける

本当の願いを隠して

自身を欺きながら

いつか朽ち果てたとき

私はきっと自由になるのでしょう



かわいそうな鳥

流す涙の理由を知らない

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