■物語■

□今、此処に在る真実
1ページ/11ページ



それは


忘れられない記憶












氷室は、いつもの起床時間より2時間も早くに目覚めた。

時間に几帳面な彼は、自分なりの体内時計を持っている。

「この時間に起きて、この時間に〜をやる」

と、一度決めると、時計を見なくても体の感覚で、

だいたい実行する事ができるのだ。

もちろん、彼も人間だから、多少なりとも時間のズレは有る。


しかし、予定時刻より2時間も早く目覚めてしまう等、

今までの彼からは考えられない事だった。

体を起こし、軽い頭痛に見舞われる。

氷室は、寝起きで覚醒しきってない脳をフルに回転させ、

頭痛の原因を記憶から辿る。


(……俺とした事が…よりによって酒の力を借りるとはな…)


ようやく普通に回転してきた脳裏に、昨夜の出来事を思い浮かべた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ