卍野卑滑稽卍
□僕の美容室へようこそ!
1ページ/4ページ
「僕の美容室へようこそ!」
カランカラーン
日「いらっしゃいませ」
和「すいません、予約してないんですが…」
日「ああ、構いませんよ」
和「よかった。じゃあカットお願いします」
日「はいはいかしこまりました。カット入りまーす!!」
和「………」
日「………」
和「………」
日「………」
シーン
日「はい、じゃあ今日はどのようにいたしますかい?」
和「え?え?い…今の作業報告は一体…??」
日「ああ、一応奥に報告しとかねえと。他にお客さんきたとき接客してもらわにゃいけませんから。」
和「あ、なるほど。奥の部屋に他の店員さんがいるわけなんですね。」
日「いや、奥にはじいさんの遺影しかありませんが」
和「遺影だけ!?てか遺影に向かって作業報告っ!?」
日「言っておけば、もし他にお客さんが来たら爺さんが棺からでて接客してくれるかもしれねえでしょうに。」
和「まだ火葬してないのっ!?つーか嫌だよそんなバイオハザードっ!!」
日「ま、それは軽い冗談でして…この店は爺さんから引き継いで俺一人で切り盛りしてましてね。開店以来初めてのお客さんだし、こりゃ爺さんにも報告しねぇとってな事です。」
和「あ…なんだそーゆー事だったんですか…ってええ!?お、お祖父さんから引き継いだお店で僕が始めてのお客って…」
日「さあさあ、どんな風にいたしますかい?」
和「ちょ…大丈夫なんですか??ちゃんとカットできるんですか??」
日「そりゃ当然でさあ。看板下げてますからね。それに、盆栽じろちゃんの異名で知れ渡ってんですぜ?…うちの爺さん。」
和「お祖父さん!それお祖父さんの異名じゃないですかっ!しかも盆栽と人の髪を一緒にしないでくださいよっ!」
日「一緒でさあ。盆栽のが動かない分切り易いってのはありますが。」
和「それ当然の事だからっ!怖っ!!あなた本当に大丈夫なんですか!?」