■記憶■

□取調室〜森川直治の場合〜
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取調室〜森川 直治の場合〜




氷「…で?」

森「え…えーと、も、森川直治!27歳!乙女座です。」

哲「アホ。誰が自己紹介せい言うた。人の話しはちゃんと聞けや」

氷「………(無言でやれやれのポーズ)」

森「話しって「…で?」だけでわかるわけないだろ!」

氷「わかんないの?…部下に理解されないなんておじさん悲しいなぁ」

森「い、いや氷室さん!そういうわけじゃ…」

哲「哀れやのぅおっさん。こんな気持ち的にハゲなやつほんまやめて、恭ちゃん部下にしたほうがええんちゃう?」

森「ハゲてない!あの探偵が氷室さんの部下になるのも認めない!!だいたいなんでお前がここにいるんだ!」

哲「いちいち全部にツッコむとこがハゲいうんや。質問は一つにしてくれな答えられへんわ」

森「ひとつしかしてないだろ!ひとつしか!何でお前みたいなチンピラがここにいるんだって聞いてるんだよ!!それにハゲじゃないっ!!」

哲「自分、ようそんな「!」つけながら喋りよるなぁ。疲れへん?」

森「人の話しを聞けーっ!!お前がそうさせとるんだろうが!」


ピッポッパ…プルルルルー …ガチャ


氷「もしもし?蕎麦屋「うぬぼれ」さん?遠羽警察署取り調べ室に天プラそば一つ…」

森「ってドコに電話してるんですか氷室さん!!」

哲「俺の分あらへんの??」

氷「いやぁ…腹減ったなって思って」

森「俺だって減ってますから!!」

氷「じゃあ早く進めて飯食いに行っていい?」

哲「俺の分とって食いましょや」

森「どうぞ進めてくださいっ!」
哲「俺のそば…!」

森「うるさいんだよお前は!やっと丸く収まりそうなんだからだまってろ!!」

哲「あーはいはい。身勝手なやっちゃなぁ」

森「な…!!氷室さん!その前に何でこいつがここにいるのか説明してください!」

氷室「お前さんの代理」

森「はぁ!?」

哲「取調室で遠羽署コンビがキャラと対談!って企画やんか。それやのに初っ端がお前でおっさん一人になってまう。せやから俺が呼ばれたっちゅーわけや」

森「そこだよ!何で俺の代理がお前なんだ!警官でもなんでもないくせに!」

氷「小僧より取調室になれてそうだったし」

哲「あたりまえや。場数がちゃう」

森「いっとくがお前褒められてるワケじゃないからな!」

哲「ほんまいちいち勘に触るやっちゃな。だから友達出来へんねんで?」

森「うるさいっ!友達ぐらいいるわ!」

氷「何人?」

森「え?」

哲「ダチ何人いるか聞いてんやんけ」

森「わかってるよ!え、えーと…」

氷「……」

哲「……」

森「さ…三人…は確実に…」

哲「3号…それ確実に恭ちゃん、俺、奈々ちゃんまでいれよったやろ」

森「いれるかっ!大体お前達を友達なんて思った事なんて一度もないわっ!」

氷「まぁ課長は小僧とこいつだけは確実にお前の友達だと思ってんだろうなぁ…最後の嬢ちゃんは知らんが」

森「誰のせいだと思ってんですか!」

氷「…さぁ?」

森「氷室さぁ〜ん…」

哲「氷室のおっさん、とりあえず報告書に書いとくで?」

氷「おう」

森「まて…!何なんだそれは!」

哲「はぁ?まがりなりにも公務員やろ?報告書も知らんのかい」

森「それは知ってる!!そんなもん書いて誰に見せるか聞いてるんだ!こんなくだらない内容を…」

氷「課長」

森「何で課長にそんなもん提出するんですかっ!」

哲「課長さんも心配してるんや…お前の交遊関係に」

森「余計なお世話なんだよ!何で課長がそんな…」

哲「課長の心配は…余計なお世話だ…と」

森「書くなーーーっ!!!」

氷「……で?」

森「つ、次はなんなんですか…」

哲「好みのタイプは?…やって」

森「な、な、なな何でそんな事言わにゃあならんのです!!」

氷「課長が気にしてたから」

森「課長が俺の好みのタイプまで気にしてるんですか!?気持ち悪いですよソレ!!」

哲「課長…気持ち悪い…と」

森「書くなっ!しかも省略しすぎだっ!!」

氷「…で?」

森「結局言わなきゃならんのか…はぁ…」

氷「……」

哲「……」

森「そ、そんなジーッと見られてると…言い難いんですが…」

哲「アホ。さくっと言えや、男らしゅうないのう」

森「う、うるさいっ!す、好きなタイプは…料理が出来て素直で頭のいい人だっ!これでいいか!」

氷「…へぇ」

哲「それ恭ちゃんやん」

森「はあっ!?な…!?ちちち、違うだろっ!!!何いって…」

氷「まぁ、ちびちゃんじゃない事は確かだな」

森「どうしてですか!?」

哲「京香ねーさん料理できへんもん」

森「ええっ!?だ、だって…随分前…お粥作り過ぎたからってタッパーに山盛りに入った物を差し入れに…」

哲「ちょお…待てや。何でソレで料理出来るって解釈できんねん」

森「どう考えたって、疲れてる人を気遣って胃に優しい物をわざわざ作ってきてくれたとしか思えないだろっ!?家庭的な人なんだなと思うだろっ!?」

哲「タッパー山盛りに粥のみって…ソレちょっとした嫌がらせやんか…めでたい頭しとるなぁ」

森「うるさいっ!!京香さんがそんなことするわけないだろうっ!」

氷「じゃあ森川の好みのタイプは小僧でいいんだな?」

森「なんでそうなるんですかっ!?違いますよ!」

哲「んじゃ…恭ちゃんと。ほな次は趣味やな」

森「話しを聞けーーっ!!!」

氷「これ最後だから。…で??」

森「くそ…何で俺がこんな目に…」

哲「はよ言わんとまた適当に決めるで」

森「今までの適当だったのか!?」

氷「確か……この間捜査行った帰りにおもちゃ屋寄ってたよなぁ森川」

哲「なんや?いい年してリ○ちゃん人形が趣味なんか?」

森「ちーがーうーっ!!!なんでおもちゃ屋って聞いてそれを連想するんだ!あれは聞き込みの為に仕方なく…」

氷「何か買ってたしな」

森「店の人が何か買ってけって顔してたんですよ!!」

哲「んで?何買ったんや?」

森「……」

哲「やっぱ○カちゃん人形なんか?」

森「断じてちがうっ!!」

氷「なんか女の子用の…」

森「うわーっ!!言います!言いますから余計な事言わんでくださいっ!!」

哲「はよ言いや」

森「…う…ウサギ…」

哲「うさぎ???」

森「ウサギの…モコモコしたぬいぐるみを買ったんだよ!文句あるかっ!」

哲「モコモコした…ぬいぐるみて…お、お前それ抱きながら寝てるんやろ!?ヘコんだ時とか話しかけたりしてんやろ!?ブッハハハハハ〜ッ!!」

氷「……プッ」

森「するかーっ!!まだ包装すらといとらんっ!!」

哲「ハヒィ…は…腹痛いわ〜…」

森「勝手に想像して笑い過ぎだっ!!!…なんで俺の周りはこんな奴ばかりなんだ…!」

氷「……で…??」

森「はい?」

氷「なんてつけたの?」

森「…は??」

哲「な…名前に決まってるやないかいっ!!ゲッラゲラゲラ〜っ!!モコモコうさちゃんの名前や!なんて付けたん?」
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