三葉
□流れる体温
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彼と肌をふれあわせるようになってから…、僕は人の温もりや肌がとても安心できるものだと知った。
終わった後の眠りにつくまでの短い間、彼に抱かれているととても安心する。
彼は僕を抱き締めて頭を撫でてくれる。
触れあう素肌から…体温の高い彼から、低体温の僕へ熱量が流れてくる。
そして僕は落ちるように眠りにつく。
とても深く、夢も見ない。
安心して無防備に。
今までよく眠れない夜を過ごすことが多かった僕にとって、これは凄い変化だった。
だからか知らないが、朝、とてもすっきり目が覚める。
そして、まだ眠る彼をこっそり眺めるのが好きだ。
じっと見つめる。
目鼻立ちのハッキリした顔、柔らかなコーヒー色の癖毛。
長い睫毛…薄い唇。
白い肌は滑らかで、大人の男性として理想的な筋肉がついている。
未だ少年の身体の僕とは比べ物にならない。
さりげなく腕枕をされている左腕を撫でる。
こういうときだけグローブを外す彼の指先は、僕を抱き込むように背中に回っているので、残念ながら見ることが出来ない。
幸せ…なんだろう、これが多分幸せというものなんだろう。
ロックオンは約束通り僕を幸せな気持ちにしてくれた。
彼は、彼自身は僕とで幸せなんだろうか?
少し不安になる。
ティエリアを抱くようになって、更に不安は増した。
アイツの首筋にマーキングのように跡をつけて…アレルヤからやんわりたしなめられた。
分かってる、アイツは俺を、俺だけしか見てない。
だけど…感じる不安。
…いつか女の代わりは嫌だったと言われる日がくるんじゃないかって。
女の代わりじゃないんだ、お前が好きで好きで…身体で感じたいんだ。
身勝手な感情だと分かってる。
お前に負担かけてるのも分かってる。
だけど…好きで好きで…気が狂いそうになるんだ…。
「…もう…やめ…っ、あぁっ…!」
ティエリアがやめてと懇願してるのを無視している。
白い肌が上気してうっすらピンク色になっているのが、サイドランプに照らされて分かる。
「ティエリア…可愛い…」
足を胸につく程押さえられ、ギリギリまで俺をくわえ込まされ…、何度もイカされてティエリアはおかしくなる寸前だ。
いつもならゴムをつけるが、今は着けてない。
「なぁ、ティエリア…中に出してイイ?」
快楽でぐしゃぐしゃになってるティエリアにお伺いをたてる。
別に女じゃないんだから妊娠の心配はないものの、今まではきちんとゴムをつけて、中出しはした事がなかった。
「…ふぁ…っ、嫌だぁ…、ちゃんとゴムつけてぇ…」
ティエリアに負担をかけたくなくて、今まではゴムを着けてた。
でも今日は…嫌がるティエリアにイライラした。
何故だか分からない。
だから、嫌がるティエリアを生で貫いて、何度もイカせた。
そして、沸き上がる欲望。
俺の白濁でお前の中を汚して、誰も手を出せなくしたい。
お前を、直接感じたい。
いくら抱いても、不安は消えない、むしろ増大する。
お前を失ったら…俺は生きていけない。
そう考える程に。
「何で?嫌?俺を感じるの…嫌?」
ティエリアの感じる所を焦らすように擦る、控えめに、イカせないように。
「ちが…っ、万が一…はっ…感染、症にでも…血液、いやぁっん…こわ、い…あ、あ…」
びくびくと俺を締め付けながら、言葉を絞り出すティエリア。
「別に俺達何も危ない病気ないじゃん」
徹底的にそれは調べられたので、本当。
「…ふぁっ…そういう…問、題じゃ…」
「バカだなぁ、ティエリア」