□君と朝の..
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朝、
目覚めると、
俺はうすっぺらい白い布を抱きしめていた。




寝ぼけた頭で考えていると...


色々と思い出してきた。






うすっぺらい白い布に温もりはない。
布団にはそれを抱きしめたまま眠っていた自分だけがいる。




「帰ってしまったのか..」

なんだか少し寂しいだとか不満に思うのは気のせい。



そういえば、結局エリザベスは帰ってきたのだろうか?
と思っていたら..
なんだがいい匂いがしてきた。
味噌汁となんか煮た醤油的な匂い

....美味そうだ。




エリザベスが帰ってきていたのだとおもいながらのろのろと体を起こすと、
見知った気配を感じた。



「なんだァ、起きていたのか」
折角起こしてやろうと思ったのになァ〜
と続けて言われた声は、昨日も聞いた...


声の方をみると予想通りのヤツがいて、



「高杉、」


何故ココに?



「なんだァ?昨日みてェには呼んでくれねェのかァ」

残念だなァ
なんていいながらコチラヘ近づいてきた。



「なんのようだ?」
「朝っぱらからんっな顔すんなよ?」
「させているのは誰だ?」
「まァー気にすんなよ、細けェことは」
「おい、」
「それより何のようだと聞いたなァ?」
「あ..ああ」
「朝メシできたから起こしにきた」
もう起きてたけどなァ
といわれながら髪をぐしゃぐしゃなでられた。


「こら、やめんか」
「たまにはいいだろォ?」
「よくない」
「..なんだよ、折角俺自ら作ってやったのに」



は?



高杉は拗ねた顔をして今度は俺の毛先の方を一房つまんでいじりはじめた。

どうやら先ほどの「たまにはいいだろォ?」は俺の言った「こら、やめんか」にたいしての返事ではなくて..


「全く、本当に人の話をきかない」




昔から、本当に自分中心に話すヤツで、
思い込んだら一直線なところもあったな。



「あ?なんだよ」










「別に」


その言葉とため息一つが俺の返事。
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