Ｇ
□愛してんのは誰？
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「最近楽しそうだな」
穏やかに桂は言った。
「そうかァ？」
別に自分からしたら何もかわりないつもりでそう返したら
「ああ、何か楽しいという気持ちが内面からにじみでているように感じる」
「なんだそれ」
意味わかんねェ
「俺が感じたままに言っただけたよ」
「昔っからお前はたまにワケわかんねェこというからなァ」
頭をかきながらそういえば、
くすくすと笑い「そうか？」と答えられた。
「恋でもしているのか？」
冗談か、本気かわからないような声音とタイミングで言われた一言に、一瞬心は穏やかではなくなるが
「ハッ 生憎んっなもんは知らねェな」と言う
「お前は変に鈍いところがあるからな」
どういう気持ちでそう言ったのかは検討がつかないが、
「てめェにだけはいわれたかねェよ」
と心から思った。
この生真面目単純馬鹿にだけは、
鈍い疎いなどという言葉は言われたくない。