月なきみそらの剣士
□かごのそと
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「お前達、無事か?」
甲板で弟達を見つけた時
名無しの姿はなかった。
「マティアス、これは一体」
アルフレートが此処にいると言うことは
名無しが様子を見に行っているのだろう。
どうやら入れ違いになってしまったようだ。
「貨物室一帯が全焼している。
もうこの船は長くは持たない」
「何だって!?」
既に乗員に対して緊急避難を申し付けてきた。
直に全員が脱出できるだろう。
後は俺達と名無しだけ。
「お前達も今すぐボートで脱出しろ。
俺は名無しを・・・」
―させるかよ―
俺の言葉を遮るように
俺にはそう聞こえた気がした。
そして
俺達4人を包み込む金色の何か。
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