BASARA短編

□鳥の言葉
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鳥、なりたい。
元親と戯れ合うあの鳥。
私は羨ましいと思う。

鳥に妬くなんて
どうかしてるけども。








ここは海の上。
元親自慢の船で漂っているところ。


畔戸は重い釣り道具一式を持ち、元親の傍に置いた。

『元親ー、釣りのやり方なんだけど
教えて欲しいなぁー』


コレは貴方の趣味だから
私も興味を持つことにしたわけ。


畔戸の思ってもみない申し出に、満面の笑顔で振り向く元親。


「おうよ!教えてやる!

そうだな、まず・・・「モトチカ!モトチカ!」

元親が畔戸の後ろから抱き抱えるような体勢なろうとした時、

一羽の鳥が元親の肩めがけて飛んできた。


なんというか
邪魔されたカタチ。




まぁまぁ、偶然かもしれないし

も一度挑戦。


『元親ー、餌の付け方がわかりませーん』



「あぁ、やってやるよ!
貸してみ・・・「モトチカ!モトチカ!モトチカ!」

餌と針を渡そうと伸ばしたその手と元親が触れるか触れないかという時、
またもや元親の肩にとまる鳥が鳴きだした。




「なんだぁ?どうしたンだ?様子がおかしいじゃねぇか」




そして元親の視線は
私ではなく
この鳥へ。



心なしか、鳥の表情が勝ち誇っているように見える。


相手は鳥。
元親が教えたことしか
しゃべれないような、ただの鳥。





どうして邪魔するのー!?




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