BASARA短編

□甲斐のいつも
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「ねー旦那ぁ、また来たよー」


突然、天井から姿を現した忍は
深く、呆れて溜息をついた。



「また来た」というのは
最近、毎日のように来る同じ訪問者のこと。


これがまた、厄介で。



「何っ、ではすぐに戦支度を・・・」





「いやいや、いくらなんでも物騒でしょ!
どーせまた、畔戸ちゃん見たら満足して帰るって」





畔戸とは最近、ある家と同盟を結ぶため信玄の養子になった少女の名前。


容姿はかわいくも、美しいので

『武田の姫』にふさわしい!(by信玄公)

佐助は言うまでもなく
恋に疎い幸村までも畔戸に魅せられていた。
武田軍の士気も自然に上がっている。








そんな中、
幸村は迫りくる例の脅威に焦りを感じている。

訪問者。

彼らが来るたびに、何度も味わっているはずなのだが。





畔戸殿、帰りたいと言い出しはしないだろうか・・・・

本当は畔戸殿を会わせたくはないのだが・・・・







「佐助、畔戸殿の様子は?」





「まだかわいい寝顔で眠ってたよv」


「はっ破廉ち・・・・ゴ、ゴホンッ
そ、そうか、畔戸殿は体調がすぐれぬか、ならば会わせるわけにはいかぬな」


ちょ、旦那。
そんなこと俺様言ってないよ!?



「あのー・・・旦那?」

「佐助!畔戸殿は今日、体調が優れぬため談話は不可と伝えて来い」


幸村の眼は子犬のようにキラキラしており、まさか利己心の塊のようなことを言っているとは思えない。




「はぁ・・・御意っと。



龍の旦那も、懲りないね・・・・」








ていうか、旦那
心せまっ!!




















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