BASARA短編

□鳥の言葉
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鳥はいいなぁー



自由なんだよ、鳥は!





朝から夜まで
はたまた
次の日の朝まで

ずっと元親の傍に居ることができるんだろう。

それって




幸せなんだから。







「何、ボーッとしてやがる」

「シテヤガル」


彼の言葉をオウム返しする鳥。

何のために?
彼らは言葉に意味を投影しているのだろうか?
伝えたいこと、あるの?




小難しい顔してやがる。
何考えてンだぁ、畔戸。


「難しい計算でもしてンのかい?」


『あ、いや・・・・別に』

何考えてるんだ、私。


畔戸は元親の肩にとまっている鳥を見た。

目が合い、見つめ合う。






「畔戸、スキー」


『・・・・え?』
「あ?」


「畔戸、アイシテルー!ケッコン!ケッコン!」

畔戸と目が合った瞬間、元親の鳥は再び騒ぎだす。


出てくる言葉は
畔戸への愛情。



この言葉って・・・・



「ばっ、馬鹿野郎!
テメェ、何口走ってやがンだ!?」



私は真っ赤な顔で鳥を追い掛け回す彼を見て思わず、笑ってしまった。


鳥が言葉を憶えるには


その言葉を
想いを
鳥に教えてあげなきゃいけないから。





アイシテル。



ケッコン。




そして


畔戸。





こんなこと教えたの、
貴方しかいないから。






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