BASARA短編

□寂しさを甘さに
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視線


視線


視線が痛すぎる!




さっきから私は通り過ぎる度に投げ付けられる付近の視線と戦っている。


勘違いなんかじゃない。


確かにコチラに向けられたもの。


コチラというか、


慶次に!







「慶ちゃ〜〜ん、元気じゃったか?」

「よぉ慶次!久しぶり!」



慶次は有名過ぎて
私は彼が遠く感じる。




それに







「慶次はん、お久しゅう」

慶次に近づく女性。


当然、知っている女なのだろう。

「よぉ!お七ちゃん!
久しぶりだなぁ!」





誰にでも愛想を振りまく、それが彼の良いところだとは知っているけど。


お七と呼ばれた女は私の存在に気が付くと少し驚き、



慶次に耳打ちをした。




その後の慶次の反応。







「わっ、わかってるって!!」




珍しく頬を染めた慶次。
これじゃまるで
二人は恋人同士。




私は






「あ!もしかして
畔戸じゃん!?
やっほー!!」


リンゴあめを両手に持ち、祭りを満喫している少年が近づいて来た。


『蘭丸君っ?』







其処には普段、織田の鬼の子と恐れられている蘭丸がいた。




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