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□吉報天下6
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晴れた空にこちら迄心地よく澄み切っていくような空に思わず瞳が細くなる

今日も良い天気だ





なんてぼんやり考えていたら、


「honey〜!!」


と何時もの叫びに近い大声が聞こえた



そう言えば休み時間だったなぁ、と相変わらずの思考でいたら


振り向く前に腕が伸びて来てすっぽり体を包まれる




きゅっと、

少しだけ込められた力に心が跳ねた


(周りは勿論軽くパニック状態)






…伊達さんと和解してから少しだけ変わった事がある




1つは私が伊達さんから逃げなくなった事

これは、話を聞かず逃げるってのは想像以上に人を傷つける行為だと気付いたからだ



だから今もおとなしく抱き締められている訳だ


けど……
この学校という公衆の面前で抱き締められて抵抗しない理由は

それだけじゃ 無い






すると、突然私を抱き締めたままの伊達さんは耳元で小さく声を上げた


「愛してるぜ…honey」



少しだけ擦れた声

耳に掛かった吐息の感触にピクリと体が反応してしまう


それは伊達さんにも伝わったようで、彼は楽しそうに肩を震わせた



「honey…」


「なん、ですか」


「こっち向けよ」



そう言うと彼は腕の力を少し弱めて、

向けよと言ったにもかかわらず無理矢理私を正面から抱き締めるようなカタチに変えた



拒否も、反論も出来ない内に額に柔らかいものを落とされる


「っな///!!!」


「そろそろ、昼休みが終わるからお別れのkissだ」



口をパクパクと動かすことしか出来ない私に対して、

伊達さんは本当に柔らかく笑って私の髪を梳く



長い指の先に髪を器用に絡ませて

それを解きながら伊達さんは小さくハニーと呟く


「Soon,come back」



物凄く名残惜しそうに言うと1年の教室を後にした







っ…


くらくら、する




伊達さんの言葉1つ1つに動揺して


少しづつ変化する表情に魅せられて行くようで




自分が、分からない








どうして こんなにも








上昇する心拍数と、
身体中の 熱


困惑する意識




この気持ちは、何?









━━━
急激な変化(笑)

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