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□堅物男と恋愛日誌
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幸せ、が
満ち足りて
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ちりちりと熱さが全身を襲う、暑い
寝苦しさから目を開ければ、あの日と同じ空が広がっていた
「ゆ、め…か」
随分と懐かしい夢をみた
まだ若かった日の夢
告げあった想いを思い出せば、自然と笑えてくる
あの時は必死だったというのに、今では良い笑い話だ
日の差す縁側で一人肩を揺らしていたら、がらりと玄関の戸が開くのが耳に届いて
聞きなれた、声
立ち上がり、玄関へと向かいながらお腹をさする
廊下から顔を覗かせれば彼の姿が目に入って、思わず目尻が下がってしまう
「おかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
また大きくなったお腹が少しだけ動いたような気がした
堅物男と恋愛日誌
貴方と新しい命で
紡がれるのは、恋愛日誌
(小十郎、)
(何だ?)
(この子の名前決めた?)