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□respect me 2
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「…は?」


一武士として、いかなる時とて気を抜くというのは自殺行為である

いつ何時刺客が現れ、命を狙われるかも知れないのだ

命が惜しい訳じゃねぇが、今目の前に居る主の命を刺客なんぞに奪われる訳にもいか無い…し、させるつもりもねぇ



だが、目の前でにこやかに(というか、にやにや)笑う政宗様のたった今告げられた言葉に
思わず、ポカンと言う効果音が似合う位間抜けな顔をしてしまった


政宗様に驚かされることは何時もの事、だ

けれど今回ばかりは、脳の処理が追い付いていない




「だからよ、お前に弟子入り希望の奴が来る」



俺が余程間抜けな顔をしていたようで、政宗様はクスクスと笑いを洩らしながらもう一度同じ言葉を繰り返して来られた


けれど、やはり脳みそは処理を直ぐ様してはくれず
まだ混乱したまま



「小十郎に、弟子…でございますか?」



やっと口を出た言葉に政宗様はYes!と答えるとケタケタと笑う

…完璧に面白がっておられる



「…政宗様」


「Okey、Okey!そう睨むな小十郎…お前の尊敬する彼の鬼島津直々の願いだぜ?」


島津殿、が

個人的には付き合いのある御人ではある
が、“伊達”と直接結び付いている訳では無い


同盟すらなければ、恩を売るような事も売られるような事も島津殿との間にはないのだ



「…何か企みをするような御人ではありませぬが……安易に受け入れるのは些か無用心です」


何か目的があるやも知れません
そう政宗様に告げるが、彼は笑ったまま表情を崩さない


それが どうした、と言わんばかりに



「心配すんな小十郎。何か問題があるようだったら即理由を付けて九州に送り返しゃ良い」


「ですが…」


「No problem!!何かあれば俺が責任を取る
…それに、島津のオッサンが姑息な手段を好まねぇのはお前が一番分かってるだろ?」


「…」



分かってるだろ?と言われれば黙るしかない

確かに島津殿はそのような御人では無い。それは一番自分が分かっているのだから



けれど、だ


「受け入れに関してはもう何も言いませぬ…なれど、小十郎は弟子を取る程の者でも器でもありませぬ」



まだまだ修行中の身…だ
基礎は教えられても全ては信念などは教えてやれない

「それに、剣術を教えるなど政宗様にしたように助言と基礎しか…」


「剣術を教える訳じゃねぇよ」


「そう剣術では無くて…て、は?」




剣術では、無い?
では 何を?


にやりと本当に楽しそうに笑うと、政宗様ははっきりと響く声を出された




「軍師として、育ててくれだとよ」




心理戦ぐるり


(軍師ぃ!?)
(い、Yes)
(尚の事小十郎では役不足ですぞ!政宗様!!)

((こりゃ、女だって言ったら更に怒鳴られるな))












*****
なんだかんだ言っても小十郎は面倒を見てくれる筈

そしてまさかの島津どん(笑)


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