vermillion
□第16話
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私が目を覚ますと、隣にはゼロスがいた。私が起きたことに気が付くとニッコリと笑った。私は昨夜のことを思い出し少し恥ずかしくなった。
「そろそろ起きないと、また寝坊だと言われてしまいますね」
ゼロスはそう言ってベッドから下りた。
「うん」
私は体を布団で隠しながら起き上がった。
「どうして隠すんですか?」
ゼロスは私を見て言った。
「明るいところで見られると恥ずかしいし」
「明るいところでも見てみたいです」
ゼロスはニコニコしてそう言った。
「や、やだぁ!早く行かないとリナに怒られるよ」
私は急いで服に手を伸ばし言った。
ゼロスは諦めたのか、何も言わずに私に背を向け着替えを見ないでいてくれた。
食堂へ行くとリナたちはみんな揃っていた。その中にディーがいたので私は驚いた。ディーはリナと何やら楽しげに話していた。
「ディー!何してるの?」
私は、みんながいるテーブルに向かいながら言った。
「任務を遂行しに来ただけだ」
ディーは淡々とそう言った。
「リナたちと談笑して?」
私は嫌味っぽく言った。
「談笑などしていない」
ディーは眉をピクリと動かし言った。
「談笑してたよね?」
私はリナに向かい言った。
「まあ、してたと言えばしてたけど・・そんなムキにならなくても」
リナは苦笑を浮かべ言った。
私とゼロスは席に着いた。ゼロスはなんだか機嫌が悪そうだった。
私はゼロスとメニューを見ながら何を食べるかを話していた。その時、視線を感じたのでそちらに顔を向けるとディーが怖い顔で私を見ていた。
「何?朝から喧嘩売る気?」
私はディーに向かい言った。
「いや、別に。お前こそ朝からカリカリしすぎだぞ」
「だってディーが―」
「まあまあ、ユイさんもディーさんも仲良くしてくださいよ」
アメリアが困ったように笑いながら言った。
「お前たちはずっと喧嘩しながら今まで旅をしてたのか?」
ゼルガディスが呆れたように言った。
「そんなこともなかったけど・・・」
私はディーをチラリと見て言った。
前から嫌味っぽいところはあったが、こんなに突っかかってくる奴じゃなかった気がする。私はそんなことを思いながら朝食を食べた。
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