azalea
□第1話
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「ブ、ブ、ブレイク!?」
レンは飛び起きそう言った。
「おや?どこかでお会いしましたっけ?」
ブレイクは小首を傾げ言った。
「えっと・・・いや・・あの・・・ってことは・・ここは?」
レンは辺りをキョロキョロと見回し言った。
「レインズワース家のアヴィスの扉の前ですよ」
ブレイクはレンを見据え言った。
「そんな・・・」
「どうやってここに来たんですか?まあ、状況的にアヴィスから来たとしか思えませんけどねぇ」
「違うの・・・。私は・・こことは違う世界から来たの」
「ほお?」
「信じてもらえないかもしれないけど・・・私の世界はこことは全く違う世界で・・この世界のことが物語りになってて。だから、私はブレイクやシャロンちゃんのことも少しは知ってるの。オズやアリス、ギルのことも」
レンは立ち上がりそう言った。
ブレイクは目を細めレンのことを見つめた。
「こいつ頭おかしいんじゃねぇーの?」
ブレイクの肩でエミリーがカタカタと揺れそう言った。言ったのはブレイクだが・・・。
「そうだねぇ、エミリー。でも・・・なかなか興味深いとは思うよ」
ブレイクはニヤリと笑いそう言った。
「信じてくれるの?」
「さあ?とりあえず、シャロンお嬢様のところへ行きましょうか」
ブレイクは肩を竦めそう言った。
レンは黙ってブレイクについて行った。突然の出来事に頭が混乱していたが、目の前にブレイクがいるという事実は嬉しかった。なぜなら、ブレイクはレンの初恋なのだから。
ある部屋の前まで来てブレイクは立ち止まった。何かを考えているようだ。考えがまとまったのか、ドアのぶに手をかけた。
部屋の中には、シャロン、オズ、アリス、ギルバートがいた。
「ブレイク、そちらの方は?」
シャロンが不思議そうに言った。
「ああ、そういえば名前、聞いてませんでしたねぇ」
ブレイクはレンを見下ろし言った。
「レンです」
「レンちゃんかぁ。歳はいくつなの?」
オズがにっこりと笑い言った。
「十六歳」
「で?一体何なんだコイツは?」
アリスが腕を組み言った。
「それが、こことは別の世界から来たなどと言っているんですよ」
「こことは別の世界・・?」
ギルバートが驚いたように言った。
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