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□第8話
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ダンスパーティーが終わり、冬休みがやってこようとしていた。帰る家などないアリスは、もちろんホグワーツに残ることになっていた。






「明日から冬休みだね」
アリスは、談話室で本を読んでいるセブルスに向かい言った。





「ああ、そうだな」
セブルスは気のない返事をした。






「セブルスは家に帰るんだよね?」







「・・・ああ」
セブルスは少し間を置き答えた。







リリーと幼馴染のセブルスは、きっと家に帰った時にリリーと会うのだろう。アリスはそんなことを考えていた。セブルスはそれを楽しみにしているだろうと。







「楽しんでね」
アリスは笑顔でそう言った。







セブルスは少しだけアリスを見たが、すぐに本に視線を戻した。







翌日、アリスはいつも通りセブルスと一緒に朝食を食べていた。






「玄関ホールまで見送るね」
アリスはセブルスを見つめ言った。






「その必要はない。僕も残ることにした」
セブルスはサラリとそう言った。







「えっ!?」
アリスは、驚き思わず大きな声を出してしまった。







「僕のこと知ってるんだろ?家に帰っても楽しいわけない」
セブルスは眉間に皺を寄せ言った。






「でも・・・リリーと会えるんじゃ・・」







「リリーは家族と旅行だそうだ」







「そっか。だから、残ることにしたんだね」
アリスは納得したように言った。







「・・・僕をなんだと思ってるんだ?」
セブルスは呆れたようにアリスを見た。







「え・・?どういう意味?」
アリスは小首を傾げた。







「アリスが僕に残ってくれと訴えているように見えたから残ることにしたんだ」







「そんなっ・・私そういうつもりじゃ・・・」







「僕は図書館に行ってくる」
セブルスはそう言って席を立った。







アリスは、大広間から出て行くセブルスの後ろ姿を見つめながら溜め息をついた。







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