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□第8話
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セブルスは部屋の中を見回した後、アリスに自分のベッドへ座るよう促した。





「どんな夢をみたんだ?」
セブルスは隣のベッドに腰を下ろし尋ねた。






「・・・母親に殴られる夢」
アリスは腕を握り言った。






「ここにその母親はいない。大丈夫だ。怖がる必要はない」
セブルスは言葉を探すようにしながらそう言った。







「私は・・幸せになっちゃいけないって言われてるような気がして・・・。怖いの。目を閉じたら、またあの夢をみそうで・・」







「眠るまで側にいてやる・・・と言いたいところだが、僕は女子寮に入れない・・」
セブルスは困ったように言った。







「ここで・・寝ちゃダメ?」







「僕のベッドで?」
セブルスは目を見開き言った。







「うん。ダメなら他の人のベッドでも・・」
アリスは他のベッドを見やり言った。







「いや、僕のベッドで寝ろ」
セブルスはすぐにそう言った。






「いいの?ありがとう」








アリスは、セブルスの温もりの残るベッドに横になった。セブルスは、ベッドの側に椅子を持ってきて座った。






「大丈夫だから、寝て嫌なことは全部忘れてしまえ」






「うん・・・」
アリスはそう言って目を閉じた。











翌朝、アリスが目を覚ますとセブルスは床に丸まり毛布をかぶって眠っていた。






「床で寝かせちゃったんだ・・」







セブルスの瞼がピクピクと動き開いた。セブルスは体を起こしアリスを見た。






「眠れたか?あれから、うなされてる様子はなかったが」






「うん、ちゃんと眠れたよ。床で寝かせちゃってごめん」






「別に。気にしてない」






アリスはセブルスに迷惑をかけてしまい落ち込んでいた。






「まだ早いし、また寝る?もちろんベッドで」
アリスはベッドから出て言った。







「そうだな・・少しだけ」
セブルスはそう言ってベッドに横になった。







「ごめんね」
アリスはそう言って部屋を出ようとした。







「・・・アリスの匂いがする」
セブルスはポツリとそう言った。






「え・・?」
アリスは不思議そうに振り返った。





「ベッドに横になってると、アリスの匂いがする」








「あっ、いや、別に変な意味じゃないからな!やっぱり目が冴えたから起きる」
セブルスは慌ててそう言った。






「変な意味って?」
アリスは小首を傾げた。






「別に・・分からないならいい!」
セブルスはベッドから出てそう言った。







アリスは不思議に思いながらも部屋を出た。そして、自分の腕や髪の毛の匂いをクンクンと嗅いでみた。







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