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□第10話
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アリスは、セブルスと元通りになれたことが嬉しく、ご機嫌で自室に戻った。だが、サイドテーブルに置かれた花瓶を見てリーマスのことを思い出した。






「リーマスが私を好きだなんて・・・」
アリスはベッドに腰を下ろし花を見つめた。





逃げるようにしてリーマスの元を去ってしまったことをアリスは後悔していた。リーマスはいつも優しくしてくれた。自分は、何度もその優しさに救われてきたのに。







「こういう時ってどうすればいいんだろう・・?」
アリスはそう呟き唇に指で触れた。







リーマスとのキスを思い出し、アリスは顔が真っ赤になった。








翌朝、アリスは眠い目をこすり談話室へと向かった。セブルスは既に椅子に座り待っていた。






「おはよう」
アリスは笑顔で挨拶した。






「おはよう。寝不足か?」
セブルスは椅子から立ち上がり言った。






「うん。リーマスのこと考えてたら寝れなくて」
アリスは何の気なしにそう言った。






「・・それは、つまり・・・奴のことが好きってことか?」
セブルスはゆっくりとそう尋ねた。






「ち、違うよ!!」
アリスは顔を真っ赤にさせ言った。






「顔が真っ赤だぞ」
セブルスは真顔でそう言った。







「セブルスが変なこと言うから・・」







「誤解を招く言い方をしたのはアリスだけどな」
セブルスはボソリとそう言った。






「え?なんか言った?」







「いや、別に」






「セブルス、怒ってる?」
アリスは窺うようにしながら言った。







「どうして僕が怒るんだ―」








「アリス、セブ、おはよう」
セブルスの言葉はリリーの声によって遮られた。






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