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□第3話
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アリスがホグワーツにやって来て三週間が過ぎた。アリスは、こちらの生活にもすっかり慣れていた。
「今週末はホグズミードに行けるんだよね!楽しみ」
アリスは談話室でレポートを書きながら、向かい側にいるセブルスにそう言った。
「許可証はあるのか?」
セブルスはレポートから顔を上げずに言った。
「イオがサインしてくれたってダンブルドア先生が言ってた」
「・・死神が保護者なのか?」
セブルスはレポートを書く手を止めアリスを見た。
「さあ、この世界ではそうなのかもね」
アリスは肩を竦め言った。
「元の世界に戻りたいとは思わないのか?親とか心配してるんじゃ・・・」
「思わないし、親はいないよ」
アリスはレポートを読み返しながら言った。
セブルスは何も言わずアリスを見つめていた。アリスは、セブルスの視線に気がついていたが、敢えて顔を上げなかった。
「あ、ホグズミード一緒に行ってくれる・・?」
アリスは心配そうにセブルスを見つめ言った。
「あまり気は進まないが・・行ってやるよ」
「よかった!ありがとう」
アリスは安心したように微笑んだ。
週末がやってきた。アリスはおめかしをして鏡を見つめた。
「こんなことしても意味ないか・・・」
アリスは前髪を整えながら呟いた。
談話室では既にセブルスが待っていた。セブルスは、アリスの姿を見つけると椅子から立ち上がり先に歩き出した。アリスは急いでその後を追った。
「どこへ行くんだ?」
セブルスはめんどくさそうに尋ねた。
「三本の箒でバタービールが飲みたい!あと、ハニーデュークスでお菓子も買いたいし・・・」
アリスはニコニコしながらそう言った。
「分かった」
セブルスはそう言って歩調を速めた。
外は雪が積もっていて寒いし歩きづらかった。日本、しかも東京に住んでいたアリスは雪に慣れていなくてセブルスについて行くので必死だった。
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