statice V
□第27話
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アリスは数日安静にしていなければならず、医務室から出ることができなかった。ハリーたちが毎日お見舞いに来てくれるので、アリスはそれがとても嬉しかった。
セブルスは一度も医務室に来なかった。アリスは心のどこかで期待していた。セブルスが来てくれるのを。
アリスは、夏休みのことを思い出していた。セブルスに抱かれたこと。そして、その後自分がセブルスを拒み深く傷付けたこと。それでも、セブルスは自分を大切にしてくれた。
―だからって安心し切ってたんだ。今のセブルスから見れば私なんてガキだし、やらせてくれない女なんて嫌に決まってる。レナさんは、大人だし・・・私なんかより胸も大きいし・・何よりリリーに似てる。
セブルスとレナが愛し合っている光景が頭に浮かんできて、アリスは声を出し泣きたくなった。
泣き疲れ眠りに落ちたアリスだったが、夜中に目が覚めた。その時、ベッドの近くに人の気配を感じた気がしてアリスは目を開けた。だが、そこには誰もいなかった。
「気のせいか・・・」
アリスはそう呟き再び目を閉じた。
数日後、アリスはすっかり良くなり寮に戻ることができた。医務室にいた間はセブルスに会うことはなかったが、これからは授業で顔を合わせることになる。アリスはそれを考えると憂鬱になった。どんな顔で会えばいいのだろうか・・・。
早速、防衛術の授業がありアリスは重い足取りでハリーたちと共に教室に向かった。授業中、アリスは一度もセブルスを見れなかった。
授業を休んでいた分、ついていくのに時間がかかりアリスはいろいろと手間取ってしまった。その結果、教室に一人取り残されそうになった。
「待ってるよ」
ハリーが言った。
「ありがとう。でも、大丈夫。先に行ってて」
アリスは笑顔でそう言った。
ハリー、ロン、ハーマイオニーは先に教室を出ていった。アリスは一人で黒板に書かれていることを羊皮紙に書き写していた。その時、セブルスがゆっくりと近付いてきた。
「アリス・・・具合はどうかね?」
セブルスは遠慮がちに言った。
「もう・・大丈夫。応急処置してくれたみたいで・・・ありがとう」
アリスは羊皮紙を見つめたままそう言った。
セブルスは何も言わずにその場に立ち尽くしていた。アリスは急いで荷物をまとめ椅子から立ち上がった。そして、逃げるように教室を飛び出した。
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