vermillion
□第8話
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私とゼロスは宿屋に入っていった。私の姿を見るなり、リナが椅子から立ち上がった。
「ちょっとユイ!あんた上で寝てたんじゃなかったの!?」
リナは私を指差し言った。
「いや・・・あの・・」
私は言葉を探しながらリナたちの席に近付いていった。
「リナさん、ちゃんとユイさんを見張ってないと駄目じゃないですか。ユイさんは裏口からこっそり抜け出して、人通りの少ない所へ行って男たちに襲われたんですから」
ゼロスが人差し指を立てそう言った。
「えっ、そんなことがあったんですか!?あっ、ユイさん怪我してるじゃないですか!」
アメリアが私の腕を見て言った。
「うん・・・。でも、ゼロスが助けてくれたから」
「ふーん。で、あんた達は仲直りしたわけね?」
リナが苦笑を浮かべ言った。
「別に喧嘩してたわけじゃないですけど・・・まあ、そうですね」
ゼロスは少し納得のいかない様子で言った。
「なんとも下らんな」
ゼルガディスが鼻で笑いそう言った。
「まあ、仲直りできてよかったじゃないか!」
ガウリイが明るくそう言った。
私は複雑な思いで夕食を食べた。ゼロスが戻ってきてくれて、また側にいてくれるのはとても嬉しい。だが、優しくされるとますます好きになってしまう。
もう二度と好きだなんて言っちゃダメなんだから・・・。
私は、夕食の席で私達と一緒に食事をしているゼロスを横目で見ながら、なんとかしてこの想いを断ち切ろうと考えていた。
シャワーを浴びながら、私はゼロスの嫌なところを考えてみた。
「私の負の感情を糧にするところ!・・・でも、私がゼロスを嫌いになったら、それこそ負の感情のオンパレード!?思うツボなのかな・・」
お湯が腕の傷に染みてこの日のお風呂は痛かった。
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