azalea

□第3話
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ブレイクはまた変わらぬ様子でレンに接していた。自分が気にしているほど、ブレイクは気に留めていないのかもしれないとレンは思っていた。










オズたちは、ほとんど毎日出かけるので屋敷にはレン、ブレイク、シャロンでいることが多かった。シャロンは、何かとレンとブレイクを二人きりにしようとした。










「いい加減迷子にならないで済むよう、しっかり覚えてくださいね」
ブレイクは、レンを連れて廊下を歩きながら言った。










「努力します・・・」









「そういえば、レン君は元の世界に戻りたいとは思わないんですか?」










「思わないよ」
レンはすぐさまそう答えた。










「それはまたどうして?」
ブレイクは不思議そうに言った。










「辛いことしかない世界だから・・・」
レンは眉間に皺を寄せ言った。










「触れられたくない過去・・ですか?」
ブレイクは微かに笑いそう言った。










「別に。私は話すことに何の抵抗も感じないよ。ただ、聞いた人が暗い気持ちになるのが嫌なだけ」










「そんなに不幸な身の上だと?」










「ブレイクほどじゃないかもしれないけどね」
レンはブレイクの目を真っ直ぐ見据え言った。










「おや、今日は随分と挑戦的なんですねぇ。そうか・・・君は知っているのか・・私の過去を」










「ごめん・・・。ひどい言い方した」
レンはブレイクから目を逸らし言った。










「別に気にしませんよ。私は君ほど脆くはない」










「脆い・・・?私が?」









「ええ。私にはそう見えますよ」










「自分だって・・・私にアヴィスの意志を重ねて見て怯えたくせに」
レンは睨むような目つきでブレイクを見て言った。










「何のことです?」












「この前、私がブレイクの目に手を伸ばして綺麗って言った時・・・左目と同じように取られると思ったんでしょ?得体の知れない私に」











「浅はかなガキだな」
ブレイクはフッと笑いそう言った。











「私は・・違う。アヴィスの意志とは違う。その目が好きだけど・・・奪ったりしない。だって、それはブレイクのもので、だからこそ綺麗なものだから」
レンは、そう言いその場から走り去った。









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