azalea

□第8話
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レンの腕の傷はすっかりよくなり、また以前のようにブレイクとシャロンと過ごす日々が続いていた。そんなある日、オズたちが正装をして現れた。











「アリス可愛い!」
レンは、ドレス姿のアリスを見て言った。









「そ、そうか?だが、すごく歩きづらいぞ」
アリスは照れながらそう言った。









「今日はこれからバルマ公のところへ行ってきます」
ブレイクがやって来て言った。












―バルマ公のところに?今どの辺りの話か全然分かってなかったけど、まだバルマ公のところに行ってなかったんだ。じゃあ、みんなはまだブレイクのこと・・・。










「私とレンさんはお留守番していましょうね」
シャロンがレンに向かいそう言った。










「バルマ公がレン君に興味など持ったら厄介ですからね」
ブレイクはレンをチラリと見て言った。










「ブレイク、心配などしなくてもレンさんは私が守りますわ。安心して行ってきてください」
シャロンが笑顔でそう言った。










「シャロンちゃん・・・」
レンは驚きシャロンを見た。











「では、行ってまいります」
ブレイクはそう言ってオズたちと共に部屋を出ていった。














「ブレイクは、レンさんを自分の側で守りたいのでしょうけど、私にだって一角獣がいますわ」
シャロンは紅茶を一口飲みそう言った。










「ありがとう。頼もしいよ。でも、ブレイクが守りたいのはシャロンちゃんでしょ?」
レンは微笑みながらそう言った。











「・・・私は一人っ子ですから、ブレイクが現れここへ留まるようになってからは兄ができたようでそれは嬉しかったんです。ブレイクも同じように、私を実の妹のように可愛がってくれました。レンさん、私たちは血の繋がりはないですけど、本当の兄妹のような存在なんですよ。何か誤解をしてるなら―」











「あー!違うの!!二人が兄妹のような関係ってことはちゃんと分かってるの。でも・・・私バカだから・・。嫌な思いさせたよね。ごめんね・・」
レンは慌ててそう言った。











「いいえ。私、妹ができたようで嬉しいんですの」
シャロンは微笑みそう言った。











「妹・・?」










「レンさんのことです」










「私のことを・・?」
レンは驚きながらそう言った。










レンは涙がこみ上げてきた。シャロンが自分のことをそんな風に思ってくれているとは夢にも思っていなかったのだ。











「レンさん!?すみません・・私のような姉は嫌ですよね」
シャロンは慌てた様子で言った。










「違うの・・・嬉しくて。ありがとう・・シャロンちゃん」
レンは笑顔でそう言った。










シャロンは嬉しそうに微笑んだ。レンは家族ができたようで本当に嬉しかった。









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