azalea
□第9話
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レンは目を覚まし、あまりの寒さに身震いをした。空気がやけに冷たい。そう感じながらベッドから下り窓際に近付いていった。
カーテンを開けると、外は一面の銀世界だった。
「うわぁ!すごい!」
レンは笑顔でそう言った。
レンは、急いで服に着替え玄関に向かった。雪の上は、まだ誰も歩いた様子はなく綺麗な状態だった。レンはそっと足を踏み出した。
「わぁ〜、なんかふわふわしてる!」
レンは無邪気な笑みを浮かべそう言った。
レンはしゃがんで雪を丸め始めた。雪の冷たさなど気にならないほど夢中になっていた。すると、いきなり頭上から何かを被せられレンは驚き顔を上げた。
「風邪ひきますよ」
ブレイクがレンを見下ろしながら言った。
ブレイクはレンに分厚いコートを被せてくれたのだった。
「ありがとう」
レンはコートを着ながらそう言った。
「雪ではしゃぐとは、やはり子どもですね」
ブレイクはニヤリと笑い言った。
「大人でも雪でテンション上がるでしょ」
レンはブレイクからプイッと顔を背け言った。
「手が真っ赤じゃないですか」
ブレイクは、そう言ってレンの手を自身の手で包み込んだ。
レンは、ブレイクの予期せぬ行動に驚き頬を赤く染めた。
「ブレイクの手・・・温かいね」
レンは恥ずかしそうに笑い言った。
「レン君の手が冷たすぎるんですよ。さあ、雪遊びは後にして朝食を食べに行きましょう」
「うん」
レンは笑顔で頷きブレイクについていった。
食堂へ入ると、大きなツリーが飾ってあった。レンは、それを見て驚き立ち止まった。
「どうかしましたか?」
ブレイクが不思議そうに言った。
「なんで・・ツリーなんてあるの?」
「もうすぐクリスマスですからねぇ。まあ、私は興味ありませんけど」
ブレイクは肩を竦めそう言った。
「クリスマス!?」
レンは驚きながらそう言った。
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