azalea
□第10話
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レンは、みんなと初めてパンドラの本部に来ていた。ブレイクとシャロンは、レイムと仕事の話があるとのことで別室へと行った。
「オレ、サブリエに行ってみようと思うんだ」
オズがギルバートに向かい言った。
「サブリエか・・・」
ギルバートは難しい顔で言った。
「レンは留守番だな」
アリスがレンを見て言った。
「うん、そうだね」
レンは苦笑を浮かべ言った。
「ブレイクたちが戻ってくる前に行こう」
オズはそう言って立ち上がった。
「じゃあ、行ってくる」
ギルバートがレンに向かいそう言った。
「いってらっしゃい」
レンは笑顔でオズたちを見送った。
レンはブレイクたちを探しに部屋を出た。広いパンドラ内で迷子になりそうになっていた時、開きかけのドアの向こうからブレイクとシャロンの話し声が聞こえてきた。レンはホッと胸を撫で下ろし、その部屋に入ろうとした。
「いつまでも私の側にいなくても、レンさんの元へ行って構いませんのよ?」
シャロンが穏やかな声でそう言った。
レンは、自分の名前が出たので思わず足を止めた。
「どうしてそのような事をおっしゃるんですか?」
ブレイクは不思議そうな声で言った。
「隠す必要などないじゃありませんか。好きなんでしょう?レンさんのことが」
「好き?私がレン君を?くくく・・・お嬢様は何か誤解をしているようですね」
「誤解・・・?」
「私が彼女を側に置いておくのは、彼女がおそらくアヴィスと何らかの関係があるからです。レン君は私に好意を寄せているようですが、それは私にとって利用できる要素でしかないんです」
レンは胸が凍りついた。ブレイクが自分のことをそんな風に思っていたなんて・・・。レンはこれ以上聞きたくなくてその場から走り去った。
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