statice U

□第14話
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アリスはドサリと地面に落ちた。恐る恐る目を開けると、そこはどこかの建物の中だった。辺りを見回すと、三人の男の人がいた。










「アリス・・・?」
目を見開きそう言ったのは、鉤鼻でねっとりした黒い髪の男だった。手には杖を持っている。







「セブルス・・・?」
アリスは立ち上がりながらセブルスを見つめた。








「アリス!本当にアリスなのか!?」
興奮気味にそう言ったのは、黒髪でハンサムな男だった。この男も手に杖を持っている。







「シリウスなの・・?」
アリスは驚きながらシリウスを見た。









「ああ、そうだよ。どうして・・アリスが・・・。今までどこに行ってたんだ?元の世界に戻ったのかと思っていた。それに・・・どうして昔のままなんだ?」
シリウスは信じられないといった様子でそう言った。








「私は・・・生と死の狭間の世界で死神と話してたの。ほんの少しの時間だった。・・元の世界に戻ろうとしたけど、死神がそうはさせてくれなくて・・・でも、まさかこういうことになるなんて・・」
アリス自身が混乱していたので、うまく説明できなかった。








「そうなのか・・・。よく分からないが、戻ってきたってことでいいんだな?また、この世界にいられるのか?」
シリウスは戸惑いながらそう言った。







「うん・・」








「よかった。アリスが突然いなくなって、わたしたちは本当に・・悲しかったんだ」








アリスはチラリとセブルスを見た。セブルスはずっとアリスのことを見つめていた。だが、その顔に喜びは読み取れなかった。







「あの・・・どういうことか僕にはさっぱり分からないんだけど・・」
眼鏡をかけたクシャクシャの髪の男の子が口を開いた。








「ハリー・・・」
アリスは、ジェームズにそっくりなハリーを見て思わず声を出してしまった。だが、その瞳は確かにリリーと同じだった。







「ハリーには話したことがなかったな。この子は、アリスといってわたしたちがちょうど今のハリーと同じ歳の時ホグワーツで出会ったんだ。アリスは、異世界からやって来て、この世界のことを小説で読んで知っているそうだ」
シリウスがハリーに説明した。







「異世界・・・?」
ハリーは驚きながらアリスを見た。







「うん。ハリーのことも、小説で読んで知ってる。友達のロンとハーマイオニーのことも。ここは・・・グリモールド・プレイスだね。この状況・・もしかして、閉心術の話をしてた?」
アリスは辺りを見回しながら言った。








「すごい!本当なんだね!!」
ハリーは目を見開き言った。








厨房のドアが開き、ウィーズリー一家と思われる人たちとハーマイオニーと思われる女の子、そして顔色の悪い鳶色の髪の男の人が入ってきた。





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