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□第21話
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ホグワーツは学期末を迎えていた。アリスにとっては初めての夏休みである。だが、帰る家などないアリスはホグワーツに残ることになっていた。








「アリス、シリウスのことを助けてくれたんでしょ?」
ハリーが宴の席で尋ねた。







「え・・あ、うん」
アリスは何と言えばいいのか分からず言葉を濁した。








「魔法省に行ってたら、シリウスはどうなってたの?」
ロンがチキンを片手に言った。









「・・・ベラトリックスに殺されてた」
アリスは、手をギュッと握り締め言った。









「そうだったの・・・」
ハーマイオニーが力なくそう言った。








「シリウスを助けてくれて本当にありがとう。僕、もしシリウスが死んでたら・・・」
ハリーはそう言ってフォークをテーブルに置いた。










「そんなの考えたくもないよ。シリウスがいなくなるなんて悲しすぎるもの」
ハリーはそう言ってアリスに微笑みかけた。







アリスは小さく頷き微笑んだ。










翌朝、ハリーたちはホグワーツ特急に乗って家に帰っていった。ハーマイオニーやロンがアリスを実家に来るよう誘ってくれたが、アリスはそれを断った。








「一人か・・・。暇だな」
アリスは、そう呟き図書館へと向かった。









無人の図書館は静まり返っていて恐ろしいほどだった。普段聞こえてくる生徒のヒソヒソ話が恋しかった。








読書にも集中できず、アリスは図書館を出て城内を当てもなく歩き回った。頭の中には常にある人のことが浮かんでいた。










「セブルス・・・帰ったのかな?」
アリスは、セブルスの部屋の前まで来て呟いた。








アリスはドアのぶに手をかけた。だが、鍵がかかっておりドアは開かなかった。









「一人で行っちゃったんだね」
アリスはそう呟き廊下に崩れ落ちた。










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