ジリリリリ!



騒々しい目覚まし時計のアラームが閑静なヴァリアーの屋敷の一室から響き渡る。



ジリリリリリリ!



屋敷全体に届くほどの盛大な音が響き続けるが、部屋の主は、みじんも起きる様子を見せない。
しかし



ジリリリ…バァンッ「ゔおぉぉい!!うっせぇぞぉ!!」



更に騒々しい大声に、部屋の主の少女はムクリと起き上がった。
そして、ベシッと目覚まし時計を叩いて沈黙させ、扉を開けて立つ男に顔を向けた。



『…おはよう、スクアーロ。まだ4:00なのに近所迷惑なくらい騒がしいね』



ヘラッと笑って言った少女にスクアーロのこめかみに青筋が浮いた。



「ゔおぉぉい!!今は午後の4時だぁ!大体、なんでこんな時間に目覚ましがなるんだぁ!?」



『あー、うん。さすがに1日中寝てるとお腹空くから、この時間になったらスクアーロに起こしてもらおうと思って』



「結局目覚ましで起きねぇのかぁ!?」



『うん』



当然とばかりに頷いた彼女を見て、スクアーロはガックリと肩を落とした。



「なんでテメェは俺が起こさねぇと絶対起きねぇんだぁ…」



『だってスクアーロの声のほうが目覚ましの音より大きいし』



…少女の言うことは事実だ。しかし、彼女がスクアーロの声でしか起きないのとそれは別問題である。



「一々俺に起こさせんなぁ!」



『だってもうスクアーロの声じゃないと起きれないよ。スクアーロの声より大きい音の目覚ましなんてないもん』



それもまた事実である。…スクアーロにとって不幸なことに。
スクアーロの声で起きられるのをいいことに、彼女はスクアーロが起こしに来ない限り寝続けるのだ。



「俺が起こしに来れねぇ時はどうする気だぁ?」



『んー…起こしに来るまで待ち続ける』



だって、と少女が続けた言葉にスクアーロは真っ赤になって踵を返した。



「馬鹿なこといってねぇでさっさと起きろぉ!!」



そう一声かけて部屋を出ていった。
少女はそれを眺めて、再びベッドに横たわる。



『うん、また起こしに来てくれるまで寝てよ――…』



その後、再びスクアーロが彼女を起こしに来るのは、10分後の話…







目覚ましがわりは君の声
(ゔおぉぉい!なんでまた寝てやがるんだぁ!)(だから、【大好きなスクアーロの声で起きたいから】)(…馬鹿言ってんなぁ///!)








企画サイト様より頂きました。
Thanks『PEACH!

…糖度高っ!スクアーロ微ヘタレ。けど可愛くなったからよし!(←何が)
企画参加させていただき、ありがとうございました!



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